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どうして今?火災保険の値上げの裏側を工事業者目線で考える

2018年6月15日、火災保険の保険料に関する発表がありました。

それが、損害保険各社で組織する損害保険料率算出機構が、火災保険料の設定基準となる「参考純率」を平均5.5%引き上げたというものです。
なぜ参考純率を引き上げる必要があったのか…それは、火災保険は火事だけでなく事前災害の被害の補償するため、昨今の異常気象の増加で収支が悪化していることを理由としています。
この発表を受けて、損保各社は2019年度にも火災保険を値上げする方向です。この火災保険の参考純率見直しは2014年以来4年ぶりで、都道府県や建物の構造により異なりますが、今後どのような影響を与えるものなのでしょうか。

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2015年の火災保険の値上げのおさらい

火災保険の参考純率の引き上げは、2014年以来4年ぶりです。ここでは、2014年の参考純率引き上げにより、2015年にどのような改定が行われたのかを紹介しましょう。

主な改定項目は「保険料・約款の改定」「長期契約の廃止」でした、

この時の改定は、どれもが契約者にとって大きく影響するものでした。この中でも重要とされたのが、保険料の改定です。

この保険料の改定は、火災保険以外の保険も同様ですが、損害保険料算出機構が実際に事故で支払った保険金の総額と契約者から集めている保険料を参考にして、同規模の事故が起こった際に円滑に保険金を支払えるように保険料を設定するというもので、保険金の支払いが多くなるということは保険料が高くなってしまうということを意味しています。

昨今の日本は、大型台風やゲリラ豪雨、豪雪地帯以外での大雪など自然災害が増えており、2018年に入ってからも平成30年7月豪雨により大きな水害が起こってしまいました。そのため、2014年に参考純率引き上げが発表されたのです。ちなみに、2018年の参考純率引き上げは平成30年7月豪雨前に発表されていますので、直接的にこの豪雨による水害を想定したものではありません。

そして、長期契約の廃止により割引率が低く抑えられることになったのも大きな改定です。火災保険は1年更新のケースもありますが、住宅ローンと共に加入した際には「30年」「36年」といった長期契約の火災保険に加入する人も多かった保険です。

しかし、2015年の改定によって長期契約は廃止され、最長で10年間の契約まで認められなくなりました。この改定の大きな理由としては、先述の通り長期割引を廃止することの、新価払いのリスクを考慮したことです。

火災保険は、ほかの損害保険と比較して保険金の支払いは少ない保険と考えられてきましたが、昨今の自然災害の増加や補償範囲の広がりのために保険金の支払いは年々増加しています。そのため、少しでも多くの保険料が必要となってしまったことから、長期割引を廃止し、数十年後のインフレ対策として長期契約を廃止したということです。つまり、この改定に関しては契約者の利益を無視して損害保険料算出機構や保険会社の利益を守るための改定ともいえます。

最後に、約款に関しては保険金の支払い時に重要になってくるのですが、実際のところはそう大きな変化はありませんでした。ちなみに今回の改定では、風災・水災など自然災害の被害に対する保険金の支払いについて改定した保険会社が多かったそうです。

約款に関しては契約時に確認できますので、気になる方はしっかりチェックしておきましょう。

今後の火災保険の値上げ対策

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このように、火災保険料はずっと一定の金額が固定されるものではありません。

実際、ここ5年間で2度も値上げされることになりました。火災保険の改定が決まると、その内容にもよりますが、基本的には保険料の値上げはほぼ行われると考えて良いでしょう。

もちろん、改定前に加入している場合はその火災保険料が上がることはありませんが、満期を迎えた場合や新たに火災保険に加入する場合には、改定後の火災保険料が適用されます。なので予定していた掛け金よりも高くなることが想定されます。とはいえ、生命保険料や損害保険料の値上げは決して珍しいことではありません。

しかも、火災保険の改定が決まった時点で各保険会社は告知を行い、保険料の値上げを周知できるようになります。その情報を確認しておけば、火災保険料がどれくらい値上げするのかはわかります。
また、保険会社や保険代理店によっては、火災保険の改定時に連絡をしてくれるとこともありますので、早めに情報を収集し、今後の火災保険をどうしていくのかを検討しましょう。

火災保険の満期が近い場合は改定前に火災保険を見直す

雨樋

現時点で火災保険に加入している場合や満期が近づいている場合は、火災保険の値上げが行われる前に、火災保険の見直しをしておくことをおすすめします。あと1~2年で満期を迎える場合は、一度複数社から火災保険の見積書を作成してもらう相見積もりを行うことをおすすめします。相見積もりをすることで、どれくらい保険料に差が出るのかがわかります。
もし、改定前に契約更新をした方がお得な場合は、今の火災保険を解約して改定日前までに更新してしまいましょう。
また、新規で火災保険に加入する場合は、火災保険の改定日より後に新築物件の引き渡し日が設定されている場合、改定後の値上げした火災保険料が適用されるので注意が必要です。すでに物件の引き渡しが終わっている場合は、早めに契約手続きを進めましょう。現在の火災保険の長期契約の上限は10年ですので、10年契約にすると最も割引率が高くなります。

地震保険も改定されている


地震

火災保険は火災と自然災害による被害を補償してくれる保険ですが、地震・噴火・津波の被害に関しては、火災保険とセットで加入する地震保険でなければ補償されません。2018年6月には大阪北部地震が発生し、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震と並び巨大地震が立て続けに起こっています。また、東海地震や南海トラフ地震の可能性も指摘されていることから、地震保険の注目度も急上昇しています。火災保険同様、地震保険も改定のたびに保険料が上がってきています。

地震保険とは、地震・噴火・津波による倒壊・火災によって損害を受けた建物・家財に対して補償をしてくれる保険です。ここで気を付けておきたいのが、地震をきっかけとして起きた火事は、火災保険では補償されず、地震保険で補償されるということです。つまり、火事は火事でも地震が原因で起きた火事の被害は、火災保険だけでなく地震保険にも加入していなければ補償されないということです。1995年の阪神淡路大震災では火災によりその被害が拡大してしまったのですが、当時は火災保険には加入していても地震保険に加入している人が少なかったことから、火災の補償すら受けられなかった人も少なくありませんでした。また、地震が原因の火事は鎮火しにくく、地震が発生してから数時間・数日経ってから火事が発生することもあるのです。
また、地震保険の保険料は火災保険の30~50%と決められていることから、建物・家財をすべて保証できない可能性が高いのです。これは、地震保険の考え方が「損害を受けた物を完全に元通りにする」のではなく「被害を受けた人の生活を一時的に補助する」というものだからです。また、住宅が崩れるほどの地震が起きたということは、被害総額が莫大になるという予想から、民間の保険会社がすべて支払いきれないということも考慮し、国がバックアップしているという特徴もあります。

ちなみに、地震保険の改定は2017年1月に行われました。このため、一部の地域・建物の構造以外は保険料が値上がりしています。また、地震が起きた時の支払い方法も、
「全損」
「半損」
「一部損」
という3区分から、
「全損」
「大規模半損」
「小規模半損」
「一部損」
という4区分に変更になりました。値上がりをした地域としては、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・静岡県など首都圏直下型地震の被害を受ける可能性が高い地域となっています。建物の構造による値上がりは各保険会社で違いがありますので、それぞれ問い合わせてみてください。

関連記事:地震保険申請で保険金が受給できるまでの流れ

火災保険の不払いの実態

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このように火災保険は少しずつ値上がりしているわけですが、さらに契約者に不利益なことが行われています。

それが、火災保険の不払いという問題です。これは、保険会社が正当な理由なしに支払うべき保険金を支払わないことで、国民生活センターにも多数の苦情が寄せられています。

もちろん、多くの保険会社は契約通りの保険金を支払っているのですが、一部の保険会社や火災保険専門代理店が不払い行為をしているがために、火災保険全体の信頼度が下がっている傾向にあります。

このような不透明な不払いは、なぜ起こるのでしょうか。それは、契約者が火災保険の申請に慣れていないことが大きく関係しています。実は、火災保険の支払い率は2%以下ともいわれていて、数十年に一度の割合でしか火災保険は支払われていないという計算になるのです。


鑑定人

そしてもう一つの手口が、鑑定士が不払いに持ち込もうとするケースです。オペレーターを突破した後は、保険会社から修理額の査定に「保険鑑定士」が派遣されてきます。立場上は“第三者”とされていますが、この鑑定士が保険会社と共存関係となっていることが多いのです。

実は、鑑定士の資格は保険会社が発行しているものですので、保険会社と組んで鑑定士が不払い認定をすれば裏金を渡す、というようなことも行われているようです。このため、保険会社と鑑定士は“運命共同体”として共存している場合もあるのです。

鑑定士の手法は、主に自然災害による被害を「経年劣化」に持っていくというものです。火災保険の補償範囲はあくまで「自然災害による被害」ですので、家自体が年数を経て古くなった「経年劣化」は補償されません。

実は、経年劣化の住宅については火災保険を引き受けてはならないということが保険法で決まっているため、この鑑定士の言い草こそが法令違反となっているのです。契約者がこのことを知っていれば、鑑定士の不条理で整合性のない言い分がわかるはずです。

全国建物診断サービスであれば安心

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このように、火災保険は様々な機関を巻き込み、できるだけ支払いをしないで済まそうとする傾向があるのです。
では、どのようにすればスムーズに火災保険を支払ってもらえるのでしょうか。その方法が、火災保険を活用して住宅を修理することを得意としている専門業者に修理を依頼し、火災保険の申請準備などを行ってもらうというものです。
全国建物診断サービスは全国に加盟店を持ち、火災保険を活用した修理に精通しています。そのため、火災保険の申請について熟知していて、下手をすると保険会社以上に火災保険について詳しいことから、申請書類も完璧に揃えてくれます。一般の人が自分で火災保険を申請して断られたケースでも、プロが申請すると一発で通ることも多々あります。

日本人の性格上、「保険金を活用して家を修理するのはちょっと…」と考えている人は多いようです。その証拠に、火災保険の対象になるのに申請されていないケースが多く見受けられます。しかし、保険申請を行うのは保険加入者の当然の権利であるので、高額であろうと正当な理由がある場合は火災保険を申請しましょう。
火災保険は自動車保険と違い、何度使っても掛け金が値上がりすることはないので安心です。最近は、大手メディアも火災保険を使って自宅を修理するメリットを紹介するようになってきました。そもそも火災保険を活用して住宅を修理することは100%合法ですので、このメリットを享受しない方法はありません。