2019年12月02日 公開
目次
- 自宅に車が衝突した時も火災保険が利用できます
- 火災保険の衝突補償が使える住宅の修理範囲はどこまで?
- 住宅の修繕工事を行う手順
- 車両保険の自損事故は不払いが多い?
- 自宅が自動車事故に遭った時はご相談ください
自宅に車が衝突した時も火災保険が利用できます
あまり知られていませんが、自動車事故で自宅を傷つけてしまった場合も、火災保険で直せる場合があります。また、自動車保険との大きな違いとして、火災保険は保険金を受け取っても、その後の保険料が変わらないという特徴があります。
火災保険の中には「住宅総合保険」や「オールリスク型」と呼ばれるプランが存在し、そのようなプランで契約している場合は、自動車事故で自宅の外壁やカーポートを破損した場合でも補償の対象になっているケースが多くみられます。
火災保険の種類を確認しておきましょう
住宅総合保険 | 住宅火災保険 | |
---|---|---|
火災 | 〇 | 〇 |
落雷 | 〇 | 〇 |
ガス爆発などの破裂・爆発 | 〇 | 〇 |
風災・ひょう災・雪災 | 〇 | 〇 |
水災 | 〇 | ✕ |
自動車の飛び込みなどによる 飛来・落下・衝突 |
〇 | ✕ |
給排水設備の事故等による水漏れ | 〇 | ✕ |
騒じょう等による暴行・破壊 | 〇 | ✕ |
盗難 | 〇 | ✕ |
※住宅総合保険の「風災・ひょう災・雪災」と「水災」は一部自己負担額がある場合もあります。
※住宅火災保険の「風災・ひょう災・雪災」は一部自己負担額がある場合もあります。
住宅の修理の補償範囲はどこまで?
他人の車が家にぶつかってきたというような、物体の衝突による被害が出た場合は、「衝突」の補償となります。
基本的には、第三者から受けた被害は、加害者本人に賠償請求をして補償してもらうことになります。
これは民法で定められているのですが、他人に怪我を負わせたり、他人の家財を壊したり汚したりした場合は、法律上の損害賠償責任を負う義務があるからです。
そして、加害者から賠償を受けられた場合は、被害についての補償は終了しているため、火災保険の対象にはなりません。
しかし、加害者からの賠償を受けられない場合は、火災保険の補償を受けることができます。
住宅の修繕工事を行う時の手順
車が衝突し家に被害が出た時に、火災保険による修繕工事を行う場合は以下の手順で工事を進めていきます。
1.専門業者(火災保険の活用になれている業者が良い)に被害状況の調査を依頼する
2.専門業者による現地調査、工事見積書・申請書類を作成してもらう
3.火災保険の申請を行う(専門業者に代行してもらうケースもあり)
4.保険会社が派遣する損害保険鑑定人による審査・査定が行われる
5.金額が決定したら、依頼主の希望する口座に保険金が振り込まれる
6.火災保険を適用した工事を行う
車両保険の自損事故は不払いが多い?
車で物損事故を起こしたと聞けば、真っ先に自動車の任意保険を思い浮かべます。
しかし、自分の運転で自宅やカーポートを傷つけてしまった場合は、対物賠償保険だけでは補償を受けることができず、不払いとなってしまいます。
この場合は特約を付帯しているなど、契約内容に自損事故が含まれていないと保険金がおりないようです。
また等級ダウンにより、以降の保険料が上がってしまうのが火災保険と車両保険の大きな違いです。
自宅設備の修理を車両保険で賄うなら、今後の保険料がいくらになるのか確認してから利用しましょう。
車両保険の免責事項を確認したい
免責事項とは
「免責」とは、損害が発生しても保険会社が保険金を支払う責任を負わないことをさします。免責事項とはその名の通り、免責される項目のことです。
「免責」については、ほとんどの場合で「重要事項説明書」や「約款」に記載されています。事故の内容がこれらに該当する場合は、申請を行っても不払いとなってしまいます。
車両保険や対物賠償保険でよくある免責事項
火災保険とは対照的に、台風・洪水または高潮によって生じた損害や、地震・噴火またはこれらによる津波によって生じた損害についてが免責事項になっている場合があるようです。
車両保険や自動車保険の対物賠償では、おもに車を中心に考えて補償を考えられているので、自然災害に対しては免責の対象となるようです。そのため、事故の原因が上記に該当する場合、申請を行っても不払いとなってしまう可能性が高くなってしまいます。
過去の不払いについて紛争になった事例
代理店と消費者の認識違いで不払いになった事例
過去の物損事故の不払い事例を見ると、車両保険の内容について契約を結んだ時点で代理店と消費者の認識に食い違いがあった例があります。
事故が発生し、保険金を請求した時点で認識の違いが発覚し紛争となりました。
結果として、保険会社はどちらの主張にも客観的な判断が難しいとして不払いのまま、手続きを終了することになってしまいました。
このような事例もありますので、車両保険の契約書はよく確認しておきたいものです。
代車で起こした事故の事例
車両保険の契約は複雑で、「被保険車両が整備・修理・点検等の為に使用できない間に臨時に借りた自動車を使用中の事故によって生じた損害について保険金を支払う」といった条件の特約を締結していても、「新しく購入した車が納車されるまでの間に借りた代車でおこした事故」については特約の対象外とし、保険金が不払いになってしまったという事例があります。
不服の申し立てにより不払いが覆った事例
申立人が会社が所有する車両を借りて運転していた時に、対物事故を起こしてしまった。
保険会社に対して車両に付保されている保険契約に基づく対物賠償保険金の支払を求めたところ、会社が保険を使用しないと意思表示をしたので不払いととされてしまった。
この件では申立人が被保険者である立場が明確だったため、対物賠償保険金の支払を求めた紛争解決手続の申立てに対し、保険金が支払われる結果になりました。一度不払いとなってしまっても、被保険者に非がない場合は、結果が覆る場合があります。
車両保険は、契約内容を把握しておくことが重要であると言えるでしょう。
自宅が自動車事故に遭った時はご相談ください
家に大きな被害が出た場合は、足場を組んだり塗装用のメッシュシートを利用したり、修繕費用だけでなく準備費用も多額になってしまいます。
このような準備費用も見積に入れ込まないと、手出しが必要になる可能性が高くなってしまいます。一般社団法人 全国建物診断サービスを利用すれば、
火災保険を利用した修繕工事に慣れている専門業者に工事を依頼するのが安心で安全な工事につながります。
自宅が自動車事故による被害を受けてお困りの場合は、弊社団へご相談ください。
記事監修
![]() 【二級建築士】佐野 広幸 全国建物診断サービスのwebサイト監修の他、グループ会社の株式会社ゼンシンダンの記事も監修。火災保険申請を利用した修繕工事を広める事により、日本の「建物老朽化」問題の解決に貢献。 |