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外壁塗装の費用を火災保険や助成金で賄うことは可能?

2020年4月17日 公開

 

日本のいたるところで、外壁塗装工事が行われています。良い外壁塗装をすると10~15年近くはそのままでも大丈夫といわれていますが、定期的なメンテナンスをしなければ、経年劣化を起こしてしまいます。また、自然災害によりひびが入ったり剥がれたりしてしまうこともあります。そこで今回は、外壁塗装工事をスムーズに進めるためのポイント、そして火災保険や助成金の活用方法を紹介していきます。

外壁塗装工事の概要を知る

塗装記事05
 

ここからは外壁塗装工事の詳細を見ていきましょう。

 

外壁塗装の相場

 

まずは外壁塗装の相場についてです。平均的な一軒家の外壁塗装の費用相場は、80~150万円くらいとなっています。相場において70万円近い差があるのですが、これは住宅の大きさはもちろんのこと、劣化の状況や塗料の種類などで大きく変化することを表しています。参考数値ですが、塗料の種類ごとの単価は以下の通りとなっています。

 

  • アクリル塗料…1㎡当たり1000円~1500円
  • ウレタン塗料…1㎡当たり1800円~2000円
  • シリコン塗料…1㎡当たり2500円~3500円
  • フッ素塗料…1㎡当たり3500円~5500円
  • 無機塗料…1㎡当たり5000円~5500円

 

外壁塗料としては「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」などが知られています。当然ながら、耐久性・耐候性が高くなればなるほど単価は高くなります。しかしながら、それぞれの種類の中でグレードが細かく分かれていることから、シリコン塗料の最高グレードの塗料が、フッ素塗料の最低グレードより高くなることもあります。そのため、どの種類のどのグレードを使って塗装するのかまでをチェックしておきたいところです。

 

ここ最近は、シリコン塗料が良く使用されていますが、大きく分けて5種類の塗料があります。グレードの低い順から「水性シリコンの1液タイプ」「水性シリコンの2液タイプ」「弱溶剤シリコンの1液タイプ」「弱溶剤シリコンの2液タイプ」「強溶剤シリコンの2液タイプ」となっていて、ウレタン塗料でも同様の分類がされています。つまり、シリコン塗料とウレタン塗料だけで10種類もの塗料があるので、単価も大きく変わってきてしまい、総額の相場も大きく変動するというわけです。

 

また、最近ではシリコン塗料よりもグレードの高いフッ素塗料や光触媒塗料・断熱塗料などの需要も高くなってきています。これは、工事費用こそ高くなってしまうものの、長い目で見るとグレードの高い塗料で塗装をした方が長持ちするからです。結果的にコストパフォーマンスが良くなることを選択する場合は、グレードの高い塗料を採用して長持ちさせるという方法があります。

 

費用をかければ仕上がりが良くなる?

 

外壁塗装工事の費用について、プロの塗装業者は金額を聞けば大体どのような塗装が行われるのかがわかるといいます。つまり、住宅の大きさと金額から、どのような塗料を使って塗装をしようとしているのかが想像できるというわけです。ちなみに、プロの塗装業者は以下のような基準で塗装の質を判断しています。

 

  • 80~100万円の外壁塗装工事…色がついて以前より綺麗になれば良いというレベル
  • 100〜120万円の外壁塗装工事…家を守る塗装のレベル。一般的な価格帯。
  • 120万円以上の外壁塗装工事…特殊塗料などグレードの高い塗料を使用したハイクオリティな工事

 

ここでいう特殊塗料とは、シリコン塗料よりもグレードが高いフッ素無機塗料や光触媒、防水塗料などで、塗装をすることで特別な効果が得られます。30~35坪ほどの一般的な一軒家ですと、外壁塗装の相場は大体以上の価格帯に収まります。つまり、100万円を超える工事からがメンテナンスとしても成立する外壁塗装工事と考えて良いでしょう。逆に、80万円前後の外壁塗装工事の場合は、コストパフォーマンス的には優れていますが、長期的視点で見ると住宅を守る塗装というよりは一時的に美観を良くする工事と考えられます。

 

外壁塗装を行う時は「相見積」で相場を判断する

 

残念ながら、建築業界は悪徳業者がいないわけではありません。そこで悩むのは、外壁塗装工事をどの業者に頼めば良いのかです。業者選びは工事の成功のための第一歩ですので、大きなポイントになります。適正価格でしっかりとした工事をしてくれる業者を探し出す必要があるのですが、そのためには「相見積」を取ります。相見積は、複数の業者の見積を比較して、その工事における大体の相場を知るためにもやっておくべきことです。そして、見積に詳細を記載している業者は、どの種類のどのグレードの塗料を使用するかまで教えてくれるので、仕事に対する姿勢もわかります。

 

例えば、相見積を行った際に「A社の見積が150万円、B社の見積が250万円、C社の見積が120万円」だとすると、B社だけが突出して高くなるので、かなり利益を上積みするような形になっていると想像できます。また、他の2社の差額は30万円なので、この工事の相場は120~150万円ほどだと想定されます。そこで、この2社の見積の詳細を比較していきます。この中で不明点・疑問点がある場合はすぐに業者に質問します。細かい質問に対しても真摯に答えてくれるのが優良業者です。ここで面倒な態度をしてくる業者には、工事を依頼しない方が良いでしょう。

 

外壁塗装でよくあるトラブルの具体例

 

先述の通り、外壁塗装はトラブルが起こりやすい工事です。ここからは外壁塗装でよくあるトラブル例を紹介していきますので、工事を行う時は以下の事例に注意しましょう。

 

  • 外壁塗装の色が想像と違ったというケース

外壁塗装でよくあるトラブルが、色が想像と違うという問題です。当然のことですが、外壁塗装においては色見本で確認してから塗装を始めます。しかし、実際に外壁に塗装した色が違って見えたり、業者に言われるがまま色を選んだ後に仕上りに満足できなかったりなど、色に関するクレームは多く発生しています。後者は業者の責任でもなさそうですが…。再塗装をお願いする時は、塗料によっては重ね塗りができないものがありますので、重ね塗りや塗り替えが可能かどうかを最初に確認しましょう。このような色のクレームに発展してしまうのは、外壁塗装の色を選ぶ際に知っておくべき情報を知らないまま進めてしまったことが最大の要因です。色を選ぶ段階では、色の印象は外壁の面積の広さや天気等によって変わるということを理解しておかなければいけません。色見本とは若干の違いが出てしまうのは当然のことで、業者もその説明をする必要があります。いずれにしても、塗装を始める前には綿密に打ち合わせをすることをおすすめします。

 

  • 工事中に悪臭が放たれるケース

工事中の悪臭も、トラブルにつながりやすいです。工事が開始されてから、塗料の臭いや業者の話し声が気になることはよくあり、このおかげでストレスを抱えてしまうことが多々あるようです。残念ながら、塗料の臭いを完全になくすことはできません。どんなに良い塗料でも無臭の塗料はありません。話し声こそ控えることはできるかもしれませんが、私語ではなく作業内容(足場の組み立て・解体など)の確認作業などではどうしても話し声が聞こえてしまうでしょう。そのため、ただクレームをすればいいというわけではありません。例えば、塗料の臭いが気になる場合は、工事のスケジュールを把握して窓を開ける日程を調整する、騒音がでる作業の日には外出するなどの対策が必要になります。業者と一緒に一番安心・安全に工事を行えるように調整し、隣人への配慮も忘れてはいけません。

 

  • 塗装工事後に作業内容の品質に問題があることに気づいたケース

外壁塗装工事が完了し引き渡し後に、塗り残し・塗りムラ・飛び散った塗料がそのままになっているなどの不始末を発見した時は、すぐに業者に連絡しましょう。外壁塗装工事は、スーパーなどで販売されている商品と違い、完成品を見て購入するものではありませんので、施工後の品質に関するトラブルは起こりやすいものです。塗り残しや塗りムラなど、業者の作業ミスによる不備は、業者に補修してもらうことが原則となります。この場合は、基本的に無償で補修してもらえると思われます。しかし、支払いがすでに完了している場合や、工事後から時間が経過し過ぎている場合は対応してもらえないケースもありので注意が必要です。また、業者に再塗装を依頼した時は、工事のスケジュールを書面で提出してもらうと良いでしょう。建築関連の工事においては口頭での約束は厳禁です。「言った・言わない」はトラブルのもとになるので、避けてください。

 

外壁塗装に火災保険・助成金は使えるのか

 

外壁塗装工事では、条件を満たせば火災保険・助成金が活用できます。まずは火災保険ですが、火事もしくは自然災害(地震・噴火・津波は除く)による被害で外壁塗装をする場合は活用できます。火災保険は申請主義に基づいているので、契約者(もしくは代理人となる専門業者)による申請がなければ、保険金はおりません。また、申請には様々な書類が必要になるので、火災保険の活用に慣れた全国建物診断サービスのような専門業者に依頼する方法もおすすめです。ちなみに、全国建物診断サービスは全国に400もの加盟店を持っているため、全国どこでもクオリティの高いサービスを受けることができますし、調査も経験豊富な一級建築士が行いますので安心です。火災保険の時効は3年となっていますので、心当たりのある人は、全国建物診断サービスに相談してみてはいかがでしょうか。

 

また助成金ですが、上限金額は10万~20万ほどで、最大25万円まで助成する自治体もあります。助成金の条件は「外壁や屋根、窓の断熱工事」を行うことですので、外壁塗装工事とともに断熱工事を行う必要があります。例えば、外壁や屋根に遮熱性の高い塗料を使ったり、窓を二重にする・樹脂サッシに変えたりするなどの工事が対象です。助成制度を用意している自治体と用意していない自治体がありますので、事前に確認しておきましょう。

 

参考ですが、2020年度(令和2年度)にリフォーム助成をおこなっている地方自治体の一例を以下にまとめておきます。

 

  • 東京都品川区 エコ&バリアフリー住宅改修

20万円 屋根、外壁など10万円以上(税抜き)の遮熱性塗装に10%を補助

  • 東京都目黒区 住宅リフォーム資金助成

10万円 塗装を含む屋根、外壁など20万円以上の工事費用(税抜き)の10%を補助

  • 東京都渋谷区 住宅簡易改修工事費助成

10万円 塗装を含む屋根・外壁など5万円以上の外装工事(税抜き)の20%を補助

  • 大阪府摂津市 住宅リフォーム補助金

25万円 10万円以上の屋根、外壁のリフォーム工事に、2分の1まで補助

  • 大阪府泉佐野市 住宅リフォーム助成事業

10万円 30万円以上の屋根、外壁の住宅リフォーム工事に、一律10万円の補助

 

助成金の条件である「遮熱塗料」「断熱塗料」とは何か

 

では、助成金を得られる条件となる「遮熱塗料」「断熱塗料」とはどのようなものなのでしょうか。これらの塗料は、太陽光を反射して断熱効果を高めることができる機能を持つ者です。この反射により、夏は涼しく冬は暖かくなるので、エアコンやストーブの使用時間が減り省エネにつながります。つまり、遮熱塗料・断熱塗料で塗装することで電気・ガスの料金が節約できることになります。具体的には、遮熱塗料・断熱塗料を使用すると、夏場の屋根の表面温度は平均8~10℃下がり、室温は平均2~3℃下がる、とのデータが出ています。遮熱塗料・断熱塗料で有名な商品には「アドグリーンコート」「ガイナ」「クールタイト」などがありますので、助成金の活用を検討している時は業者に相談してみましょう。

 

また、遮熱塗料・断熱塗料の塗装工事は一般的な工事よりも費用が高くなるのでは、と心配になるかもしれません。確かに性能が高い分、塗料の費用も高くなりそうですが、使用する塗料をしっかり選定すれば耐用年数あたりのコストパフォーマンスが良くなるため、結果的にはそれほど変わらないということになります。

 

例えば、東京都葛飾区では「 《個人住宅用》かつしかエコ助成金」という助成金があります。この助成金を得るためには、建物の断熱性能を高める工事であることが支給条件となっていて、外壁塗装も対象に含まれています。使用する遮熱塗料・断熱塗料については「日射反射率50%の塗料を使用すること」が条件になっていますので、業者と相談して契約前にどの塗料を使うのかを確認しておきましょう。



記事監修


kansyuu
【一級建築士】登立 健一
一級建築士。全国建物診断サービスのwebサイト監修の他、グループ会社の株式会社ゼンシンダンの記事も監修。