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三角屋根における棟木とは?実は神様とも関係している

2020年11月19日 公開

棟ぎサムネ

「屋根の構造ってどうなっているか知りたい」
「棟木ってなんて読むかわからない」

こういった話をよく耳にします。

建築業界は業界用語が多く存在し、特別な名称が飛び交うことも普通のことです。

その中でも特殊な業界用語の1つに棟木があります。

棟木は「むなぎ」と読み、建物の屋根に関係する部品の1つです。

しかし、棟木を知っている人はあまりおらず、屋根の構造を知っている人はさらに少ないです。

身近な存在である屋根をもっと知ってほしい、そんな気持ちから今記事では棟木を解説します。

西日本では当たり前の風習である棟上げ。実は棟木は棟上げと関係が深いって知っていましたか。

そんな豆知識も併せて解説しますので、ぜひ最後まで読んでいってください。


目次
  1. 屋根の種類と目的
  2. 三角屋根の造りと知っておきたいポイント
  3. 棟木の役割と風習
  4. 棟木は三角屋根を造るための目印であり工事の区切り

屋根の種類と目的

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建物の上部に取り付けられ、雨風から建物を守る部分をなんと呼ぶかご存じですか。

そう、屋根と呼びます。

屋根はすべて同じに見えますが、実は役割や地域性が反映される場所です。

建物においては最後に組みあがる箇所であり、建物の華とも呼ばれる場所です。

今回はそんな屋根のうち、日本の屋根を地域ごとに分類して解説していきます。

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三角屋根

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三角屋根は別名を切妻屋根とも呼び、東日本で多く使われています。

切妻屋根は屋根の端を切り落としたような形状をしているため、端を表す妻という文字を切落とす意味で名称がつけられています。

見た目が三角形に近いということもあり、三角屋根の名称で呼ばれています。

三角屋根の特徴は頂点を境に2面に分かれた形状であるため、積雪の影響を受けにくいとされています。

また、造りがシンプルであるがゆえの施工費の安さもあり、関東地方を中心に東北や北陸で多く使われています。

さらに、三角屋根のメリットは棟木を調整することで傾斜や高さを自由に調整可能である点であり、見た目の華麗さも相まって人気の屋根となっています。

屋根面積が広くなることから太陽光発電のソーラーパネルを設置しやすく、過ごしやすさと利便性を兼ね備えたバランスのよさが特徴です。

三角屋根の欠点はデザイン性が低いため、似た形、似た見た目の建物が出来上がってしまう点が挙げられます。

シンプル過ぎるため個性が出しにくいものの、使いやすい造りが特徴の屋根となります。

寄棟屋根

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寄棟屋根の特徴は頂点を中心に4面に分かれた形状の屋根が特徴です。

4面に分かれるため形状に個性が出しやすく、様々な見た目の建物を造ることが可能です。

また、三角屋根に比べると強固な造りとなるため、耐久性や耐震性に優れるという特徴があります。

三角屋根と違い積雪への対応が難しいため、積雪の少ない九州地方や関西地方を中心に多くの建物で使われています。

寄棟屋根の欠点は風通しが悪いことが多く、屋根裏が狭くなるためメンテナンスが大変になる点があります。

積雪の少ない地方や行使水量が少ない地方におすすめの造りであり、耐久性の高さやデザインの幅が魅力的です。

片流れ屋根

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片流れ屋根の特徴は屋根全体が片面に偏っていることであり、三角屋根や切妻屋根、寄棟屋根で当たり前であった左右対象が崩れていることです。

片流れ屋根がこの形状になった理由は雪国で多く発生する雪害を防ぐためとされています。

雪害とは雪が原因で発生する被害の総称で、雪の重みによる荷重被害や落雪被害、雪解け水によるすが漏れといった被害を指します。

片流れ屋根は片側にのみ傾斜があることで雪を一定の方向にコントロールでき、落雪被害の範囲を制限することが可能です。

また、棟木の高さを調整することで積雪量を調整し、荷重による被害やすが漏れを防ぐことができます。

反面、日当たりが片方によるため、結露の影響が大きくなることが挙げられます。

また、デザインも選択肢が少なく、ワンパターンになりがちな傾向があります。

このように片流れ屋根は雪国に対応した形状の屋根であり、雪国では大きなメリットを持った形状の屋根です。

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三角屋根の造りと知っておきたいポイント

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三角屋根はシンプルな形状であるため、屋根の造りを学ぶのに最適とされています。

屋根は目的に応じて多くの造りが存在し、構造を把握することが難しいです。

そのため、基本となる屋根の造りを三角屋根で学び他の形状に繋げることが効果的です。

三角屋根は見た目は三角柱を横に倒した形であり、四角形の建物の上に倒した三角柱を乗せた形です。

なぜその形状となったのか、構造の理由と三角屋根の仕組みを見ていきましょう。

構造と仕組み

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三角屋根は力を最大限活かしやすい形状として、造られた構造です。

屋根は重力の影響で下に力が働くため、支える部分が必要となります。

住宅の場合、建物本体が支える役目を兼ねるため、屋根を重くすることで建物に負荷がかかります。

この負荷を減らすために、構造に工夫をおこなうことが基本となります。

三角屋根の場合、屋根面が2面互いに支える形で造られるため重さが集中しないように工夫されています。

力の分散をおこなうことで、構造体が安定し災害に強い造りとなります。

しかし、力の分散を重視しすぎると屋根面が増えてしまい、屋根の裏側の構造が複雑化してしまいます。

そこである程度の耐久性をもち、屋根裏にスペースを確保できる構造として三角屋根が重宝されています。

このように三角屋根は平屋根に比べると建物に影響を与えず、寄棟屋根に比べると屋根裏をうまく使えることを目的とした構造です。

三角屋根の仕組みは簡単にイメージするとトライアングルがたくさん並んでおり、その間に屋根を張り付けている状態です。

各トライアングルは屋根で繋がっており、それぞれが倒れないように支えています。

トライアングルを構成している三角形の辺を垂木(たるき)と呼び、垂木は天井裏で梁と固定されています。

この垂木を一定間隔で並べることから、トライアングルが連続して並んでいるイメージをするとよいでしょう。

工法によっては底辺が存在しないことも多いため、実際は三角形ではなく山を表すトンガリがたくさん並んでいます。

イメージは三角形ですが、実際は異なることを誤解しないようにしましょう。

屋根は接している箇所がトラブルに繋がる

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三角屋根のメリットは接している面が少ないことも挙げられます。

寄棟屋根は4方向に屋根が分かれているため、4つの面に屋根が接しています。

しかし、三角屋根の場合は2面しか屋根が接していません。

屋根が接する面は屋根トラブルの温床とされており、単純計算で寄棟屋根は三角屋根の2倍トラブルが発生するリスクが高いとされています。

三角屋根は耐久性こそ低いものの、メンテナンスのしやすさや屋根トラブルの少なさからも人気の屋根とされています。

▲目次にもどる

棟木の役割と風習

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三角屋根には垂木と呼ばれる、辺同士を結ぶ木が存在し、互いに支え合うことで構造体として安定しています。

しかし、実際に垂木同士を繋げようとすると直線で繋ぐことは難しいです。

理由は、角材が立方体であり、立方体の頂点同士を釘などで固定するのは困難だからです。

仮に立方体の先端を斜めにカットした場合でも、綺麗に固定できるか怪しく、内部ががたがたな状態で完成する可能性が高いです。

そこで役立つのが棟木です。

棟木は家の最上箇所に当たる木

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棟木は三角屋根の頂点に設置し、垂木を固定する役割を持ちます。

棟木は垂木と違い、一定間隔で設置するのではなく、建物の端から端までを結ぶ形で設置します。

そのため、非常に長い木材を用意する必要があり、大黒柱に次いで太くて長い柱を用います。

棟木の役割は垂木を固定する以外にも存在します。

第一に、棟木の高さで屋根の傾斜が決定します。

屋根に傾斜は建物の天井部分である梁から棟木までの高さを棟木から梁までの長さで結んだ三角形の角度で決まります。

上記の説明が理解しにくい場合は棟木がトライアングルの頂点、梁がトライアングルの底辺の両点であると考えてみてください。

トライアングルの頂点が高くなるほど三角形の傾斜角度が急になり、トライアングルの底辺の両点の間が長くなるほど三角形の傾斜が緩やかになります。

この関係は垂木と梁にも当てはまり、棟木が高い位置になるほど傾斜のある屋根となります。

棟木は屋根の傾斜を決める重要な役割を持ちます。

また、棟木は建物の中心に設置されることが多く、建物の棒心としても使われます。

棒心とは建物の中心に線を引き、構造上左右対称となる芯の部分を表す言葉です。

棟木が歪んでしまうと屋根が全体的に歪んでしまうことと同義となるため、必ず棒心にあわせて設置することが重要です。

棟木が歪んでしまうと垂木を充分に固定できず、耐震に大きな影響を与えるため危険となります。

最後に棟木は建物の中でもっとも縁起のよい木とされています。

理由は建物の頂上であり、すべての垂木を支える重要な役割があるからです。

しかし、それ以外にも神事的な理由で棟木は重要とされています。

神事で見る棟木の役割

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日本人は古くから八百万の神様がいると信じており、多くの神様を信仰していました。

憑神・付喪神・土地神など対象は様々で、信仰心の高さはかなりのものといわれています。

その中で培われた文化に縁起やゲン担ぎという考え方があります。

気持ちの中で縁起がよい・悪いを区別し、意図的に縁起がよいことをおこなうことが重要とされています。

受験に勝つでかつ丼を食べる、キットカットをきっと勝つと読み替えるのもゲン担ぎの一種とされています。

建築にも神様が存在し、ゲン担ぎがおこなわれてきました。

その中に棟木と関係の深いゲン担ぎがあります。

それが棟上げと呼ばれるものです。

関東地方ではあまり馴染みがないかもしれませんが、九州や四国など西日本を中心に今でも根強く残っている文化です。

棟上げは正式には上棟の儀と呼び、古くは神主さんを招いて正式な神事とされていました。

元々家を建てるという行為は富の象徴であり、質素倹約を基本とした日本人の中でも唯一許された贅沢とされています。

今でも結婚を機に一生に一度の買い物として自宅を建てる人がいます。

イメージとしてはとにかく失敗したくないという気持ちが強かったとされています。

そのため、家の骨組みが完成した際にここまでの建築成功をお祝いし、土地神様に残りの工事とこれから住む住人の無病息災を祈る意味で上棟の儀をおこないます。

上棟の儀の特徴は自宅の4隅から餅(地方によっては紅白餅)をまくことであり、神様のお供え物であり縁起のよいとされる餅をまくことで災厄を払う意味が強いです。

現代では神事としての上棟の儀をおこなうことは少なくなりましたが、代わりに棟上げがおこなわれるようになりました。

棟上げは上棟の儀同様に骨組みが完成したタイミングでおこない、近隣の住民を招いておこなわれます。

骨組みの完成が棟木と垂木の固定であるため、棟上げと呼ばれるという説もあり、棟木は縁起がよいのは変わらない認識です。

棟上げの目的は厄払いではなく、「工事期間中お騒がせしています」という感謝の気持ちや謝罪の気持ちをこめておこなうことが一般的です。

棟上げでは他にも細かなルールが存在します。

例えば、まいたお餅は焼いて食べてはいけないというルールがあります。

これは建物は火気厳禁であるからという考えであり、ゲン担ぎをおこなう日本人特有の考え方です。

また餅は偶数個ではなく奇数個用意するルールも存在します。

これは偶数は割り切れるため、縁起がよくないとされているからです。

このように棟木はただ主要な部分ではなく、工事の折り返し地点であり切り替えポイントしても重要とされています。

三角屋根に限らず存在するため、ぜひ覚えておきたいものです。

▲目次にもどる

棟木は三角屋根を造るための目印であり工事の区切り

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三角屋根はシンプルな形状と安価な施工費用が特徴であり、今後も使われることが多いと考えられる屋根の1つです。

棟木に向けて垂木を伸ばすだけというシンプルな造りが、広い空間と風通しのよさを実現しています。

デザイン性では他の屋根構造に劣りますが、使い勝手のよさを考えると優れた構造と言えるでしょう。

重要となる棟木には神事も関係しており、今でも棟上げとして文化が残っています。

実際に家を建てるときは棟木や三角屋根を思い出して、ぜひ検討してみてください。

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