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屋根に積もった雪が、隣家に落ちて損害を与えてしまった。火災保険で 補償されますか?

2021年1月05日 公開

意外かもしれませんが、日本は国土の約半分が豪雪地帯として国から指定されています。大雪による被害は毎年起こっていますが、住宅に関する被害で雪が原因のものは、火災保険で補償されるのでしょうか。


▼目次
  1. 雪による被害は火災保険の「雪災補償」に含まれる
  2. 火災保険の補償の対象となるものと被害の例
  3. 自宅の屋根に積もった雪が、隣家に落ちて損害を与えてしまったらどうなるのか
  4. 火災保険の補償が受けられないケースはこんな時
  5. 火災保険を請求するときはどうすればいい?
  6. 雪による被害は火災保険の「雪災補償」に含まれる

雪による被害は火災保険の「雪災補償」に含まれる

大雪

大雪・豪雪・雪崩など雪が関係する被害を、総称して「雪害」と呼んでいます。その雪害による被災を「雪災」と呼び、火災保険では「雪災補償」を契約していれば補償されます。火災保険では「風災・雪災・雹災」がセットになっていることがほとんどで、多くの火災保険で基本補償のひとつとなっています。この雪災には、雪の重みや落下などによる事故や雪崩は含まれていますが、融雪水の漏入や凍結、融雪水による洪水、除雪作業による事故は対象外です。ちなみに、融雪水による洪水は火災保険の「水災補償」で補償されるので、注意が必要です。

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雪による被害には「水災補償」もある

上述の通り、雪による被害でも「雪災補償」と「水災補償」があるので、契約の状況や被害の種類によっては、保険金がおりないことがあります。また、火災保険は補償の対象が「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財の両方」の中から選んで契約します。ちなみに、建物とは住宅のそのもののほかに付帯する一度設置すると簡単には動かせないものを含みます。また、家財とはその建物の中にある家具・家電・衣服などで簡単に持ち運びができるもの全般を指します。ここで注意が必要なのが、片方のみを補償対象としている場合です。「家財のみ」の契約にしている場合、雪で屋根が壊れたりカーポートが倒壊したりしたときには、保険金がおりません。

火災保険の補償の対象となるものと被害の例

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火災保険においては「建物」には住宅そのもののほか窓・屋根・雨樋・物置・カーポートなどが含まれます。「家財」には家具・家電・衣服・自転車・原付自転車(125cc以下)などが含まれます。具体的には、これらの補償の対象は以下のような雪災が出ることが想像されます。

●落雪によりカーポートの天井が壊れた
落雪によるカーポートの被害は、火災保険の雪災補償の対象となりますが、保険の補償の対象に「建物」が入っていて、カーポートの延床面積が66㎡未満の場合に限定されます。
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●雪の重みで建物の屋根が変形した
雪災で屋根が変形した場合も、雪災補償の対象となります。ただし、火災保険の補償の対象に「建物」が入っていて、雪災補償がついている場合に限定されます。
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●近くの山で起きた雪崩に建物も家財も巻き込まれた
建物や家財が雪崩に巻き込まれた場合は、火災保険の補償対象となります。ただし、建物のみを補償の対象としている場合は、建物の被害のみが補償されます。その逆も同様で、家財のみを補償の対象としている場合は、家財の被害のみが補償されます。

●融雪水で洪水が起きて床上浸水して家財が水浸しになった
融雪水による洪水が発生して床上浸水した場合は、火災保険に水災補償をつけていると補償されます。ほかの補償と同様に、保険の補償の対象が建物か家財のどちらか一方の場合は、それぞれ該当するものだけが補償されます。

余談ですが、スキー場で深雪が原因で転んで骨折した場合は、火災保険ではなく傷害保険もしくは医療保険の補償の対象となりますので、火災保険金が支払われることはありません。

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自宅の屋根に積もった雪が、隣家に落ちて損害を与えてしまったらどうなるのか

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例え火災保険を契約している自分の住宅からの落雪だとしても、豪雪など自然災害によるものはその責任を問われることはありません。隣家に被害が出た場合は、隣家が契約している火災保険で補償してもらうことになり、落雪を起こした住宅の火災保険からは支払われることはありません。しかし、明らかに被害が予想される状態を放置していて被害が出てしまった場合は、賠償責任が発生することがあり、この場合は「個人賠償責任保険特約」を付加していれば賠償金で賄うことができます。

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火災保険の補償が受けられないケースはこんな時

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雪による被害でも、火災保険の補償が受けられない場合があります。具体的には、以下のようなものです。

●経年劣化により劣化した場合
建物の経年劣化・老朽化による建物内部への融雪水の浸入や水濡れなどの被害は、火災保険の補償の対象になりません。ただし、不当な経年劣化判定の場合は交渉の余地があります。
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●事故が起こってから保険金の請求まで3年以上が経過している場合
保険金の請求期限は保険法により「3年」と定められています。つまり時効が3年あるということなのですが、雪による被害であることを証明するためには、被害が出たときはすぐに申請することをおすすめします。また、保険会社によっては法律よりも短い請求期限を設けていることもあるので、火災保険の請求期限の時効を保険会社に確認しておきましょう。

火災保険を請求するときはどうすればいい?

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火災保険の雪災補償・水災補償を請求する際は、当たり前の話ですが、支払要件に当てはまった場合にのみ保険金が支払われます。損害保険金として支払われる金額は、建物・家財ともに被害総額から免責金額を差し引いた金額となります。それでは、実際に事故が発生して被害を受けたときには、どのような手続きをして申請すれば良いのでしょうか。以下、一般的な火災保険金の請求方法とその流れです。

まず、契約者は保険会社に雪災被害もしくは水災被害が出たことを報告します。報告する内容としては、契約者名や保険証券番号、被害があった日時・場所などです。被害の状況や原因などはわかる範囲で良いのですが、ここで経年劣化を匂わせるような発言をすると、火災保険の補償の対象外にされてしまう可能性があるので注意しましょう。

連絡後、保険会社からは火災保険金の請求に必要な書類及び準備すべき書類の一覧が送られてきますので、記載すべきものを記載して、必要なものを揃えます。ちなみに、一般的には以下の書類が必要になります。

●保険金請求書(各保険会社指定の用紙であることがほとんどです)
●罹災証明書(罹災の事実や被害の程度を証明するもので、被害に遭った場所を管轄する消防署などで交付されます)
●被害の程度がわかる写真
●専門業者による見積書

また、被害の程度が大きく保険金の請求額が高額になる場合(住宅を建て直す場合など)は、印鑑証明書や建物登記簿謄本などが必要になる場合もあります。

保険会社に書類が届いた後、第三者機関である損害保険鑑定人による現地の調査が行われます。契約者からの書類と鑑定人による報告書に基づいて、保険会社は最終的に保険金を支払うかどうか、支払う場合は保険金をいくらにするかを決定します。そして、契約者が指定する銀行口座に保険金が支払われて手続きは完了となります。申請から振込まで、1か月ほどかかるのが一般的です。
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雪による被害を最小限に食い止めるためにすること

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このように、雪が原因の被害は雪災補償及び水災補償で賄われることになります。雪による被害を広く補償するためには、水災補償を付加しておくことをおすすめします。また、水災及び雪崩については甚大な被害になることが多いことから、都道府県や市町村のホームページに掲載されているハザードマップを確認しておきましょう。

雪による建物への被害の原因

雪が原因で建物に被害が出るケースは、以下の3つが主なものです。
●大雪が降った後に雨が降り、雪が一部氷となり重くなってしまう
●屋根勾配が緩いために耐荷重強度の低い構造をしている
●築年数が古く定期的なメンテナンスをしていない

建物の屋根を設計する際は、雪が積もった時の荷重を考慮して耐荷重を決めることになっていますが、豪雪地帯の住宅ではその数値が高く設定されています。ちなみに、関東近辺は豪雪地帯より低く30cmの積雪に耐えられるような設定となっています。そのため、想定されていないような大雪が降ってしまうと、設計荷重をオーバーして被害が出てしまうリスクが高まります。また、豪雪地域以外では、大雪後に急に温度が上昇することも多いので、融雪水の被害のリスクも高くなってしまいます。そして、屋根の勾配の低い建物は、自然と雪が落ちることがないことから、大量の水分を含んだ重い雪が屋根に乗った状態になるので、住宅への負担が大きくなります。2014年2月に関東地域を襲った豪雪は、工場などのの屋根の勾配が緩く強度の低い屋根の建物を中心に大きな被害が発生ました、では、このような被害を生まないためにはどうすれば良いのでしょうか。

早期に情報収集を行う

気象庁は、通常よりかなり多い大雪が降ることが予想される場合は「異常天候早期警戒情報」を発表することにしています。その場合、警戒が必要となる期間の5日前には気象庁のWEBサイトに発表されますので、定期的にチェックして事前対策に役立てることをおすすめします。大雪の程度によっては、住宅の倒壊だけでなく、交通網への影響なども起こりうので注意が必要です。

備蓄品を準備しておく

大雪対策として必要になるのは、スコップなどの除雪道具だ。ホームセンターに行けばいろいろな種類のものがあるので、1本は用意しておきたいところです。そのほかにも、交通網の寸断が起こる可能性があるので、飲料水や食料の備蓄をしておくようにしましょう。また、停電が起こるリスクもあるので、懐中電灯やろうそく、冬場の寒さをしのぐポータブルの防寒器具も用意しておくと便利です。

除雪をしっかりと行う

そして最も重要なのが除雪作業です。建物において雪害の最も大きな要因は、屋根の雪を放置しておいて起こるものです。上述の通り、降雪後に温度が上昇して雨に変わると、積雪荷重が大幅に上がるため、住宅に被害が出るリスクが高まってしまいます。また、すが漏りという現象にも注意が必要です。これは、室内の気温と外気温の差が原因で起こる、雨漏りの一種です。気温の差で雪が解けて、水が雪の塊でせき止められて屋根の上で水が溢れかえってしまう現象で、除雪をしておくことで回避できます。

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火災保険を活用して修理を行う際のポイント

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火災保険の保険金は、修理費用を賄うものです。その中には、人件費や足場の代金なども含まれますが、契約金額以上の保険金が支払われることはありません。その中で、大雪対策を一気に行ってしまうという方法があります。修理する部分を解体すると同時に、大雪対策をしていくことで、その先の被害の縮小につながります。具体的には、以下のような方法があります。

雪止めを設置する

雪が原因で屋根に被害が出たときに、現状の屋根に雪止めが設置されていない場合は、屋根の修理と合わせて雪止めを設置してもらうことを検討しましょう。雪止めとは、その名の通り、屋根に積もった雪の落下を防ぐもので、隣家や通行人に落雪による被害が出るリスクの軽減につながります。

雨樋の交換工事を行う

火災保険を活用して屋根の修理を行う時は、屋根に付随する箇所の修理も検討してみるのも良いでしょう。上述の雪止め以外にも、雨樋の交換工事を同時に行うということも可能です。実は、雨樋は雪害によって壊れやすい箇所なので、調査してみたら雨樋にひびが入っていたということも度々あります。また、被害が出ていなかったとしても、雨樋は傷みやすい箇所なので、劣化具合を見て交換することをおすすめします。

別途、雨樋の修理・交換を行う場合は、改めて数十万円をかけて足場を設置することになってしまうため、修理のタイミングで同時にやってしまう方が、経済的リスクも時間的リスクも軽減されます。すでに既存の雨樋を何度も修理している場合や、経年劣化が著しい場合は、雨樋の交換も同時に行うことを検討してみましょう。

外壁塗装を行う

足場の設置が必要な修理を行う場合、同時に外壁塗装を検討する方法もあります。上述の通り、足場を改めて組むとなると、数十万円の費用がかかります。火災保険の保険金の中に足場代が含まれている場合は、足場代を抜いた金額で外壁塗装を行うことができます。特には被害がない場合は、火災保険では賄えないので注意が必要です。新築から、及び外壁塗装してから10年以上が経過している場合は、このタイミングで検討しても良いでしょう。

豪雪地帯に住んでいる人だけでなく、どの地域に住んでいても突然の豪雪被害が起こる可能性があります。火災保険を契約する際は「風災・雪災・雹災補償」が入っているかどうかを確認しておきましょう。



記事監修


kansyuu
【二級建築士】佐野 広幸
全国建物診断サービスのwebサイト監修の他、グループ会社の株式会社ゼンシンダンの記事も監修。火災保険申請を利用した修繕工事を広める事により、日本の「建物老朽化」問題の解決に貢献。