お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

安い火災保険にはワケがある!全労災「住まいる共済」の落とし穴

火災保険
全労災は、正式名称を「全国労働者共済生活協同組合連合会」といい、消費生活協同組合法(生協法)にもとづいて設立された、厚生省認可の協同組合です。
いってみれば、“保障の生協”のようなものです。

その全労災が行う事業のひとつに、「住まいる共済」という、自然災害補償付の火災共済があります。営利を目的としたものではないので、そういう意味での安心感はあり、「全労災の火災共済なら安いし安心」と入る人は少なくありません。しかし残念ながら、値段はやはり嘘をつきません。安い火災共済には、安いなりの落とし穴があるのです!

全労災の火災共済「住まいる共済」とは?

家比較

■火災・風水害・地震などがセットになったお得な火災共済

全労災の「住まいる共済」は、近年とても多い火災や風水害・地震などの被害に備える共済として、紹介しています。
近隣に延焼したときの「類焼損害保障特約」や、「盗難保障特約」、「個人賠償責任共済」などの特約もあり、ホームページを見た限りでは“とてもしっかりした火災共済”というイメージがあります。

価格もさすが共済なので安く、火災・風水害・地震までカバーしても月2,000円~6,000円程度で保障が受けられ、さらに共済でまかなったお金が余れば割戻金もあります。エコ住宅を対象とした「社会貢献付エコ住宅専用火災共済」に入ることができれば、さらに掛け金は安くなります。

全労災の「住まいる共済」を選ぶ人が魅力に感じるのは、何といっても火災保険にくらべて圧倒的にリーズナブルな点です。そして「地震保険がかけられるのは民間の保険会社だけだと思っていたら、共済にもあった」という意外性で、民間の保険料の高さに辟易している人が入るパターンが多いようです。地震共済は、全労災の他にもJA共済・県民共済などで実施しています。

■全労災の火災共済だけでは、被害を十分に補えない

1
しかし残念なことに、この全労災の火災共済だけでは、地震や風水害などの被害を十分に補うことはできません。

安い火災共済には安いなりの落とし穴があり、その落とし穴にはまって困惑した人が実際にいることも、知っておいた方が良いでしょう。

全労災の“災害特約300万”は、台風などで全損した場合のみ

%e5%8f%b0%e9%a2%a8%e7%9b%ae

■「火災共済に入っておけば、地震や台風が来ても安心」と考えるのは危険

全労災のCMを見ると、台風などの自然災害を保証するという内容の説明があります。そこで「え!全労災の火災共済は、火災だけじゃなくて自然災害も保証してくれるの?それなら、今は雹が降ったり集中豪雨があったりして何が起こるかわからないから、全労災に入っておけば安心かも」といった理由から、全労災の火災共済を契約する人が少なくありません。

もともと保険は内容がわかりづらく、契約をする人は深く内容を掘り下げることが難しいため、「担当者が信頼できそう」「価格が手頃」といった動機で契約する人が多いのが現実です。しかし、本当に災害が起こったときを想像してみると、それがいかに怖いかということがわかります。

全労済やJA共済などでも、火災共済にプラスで自然災害共済にも入っていればOK

災害被害が既にあったからはこちら→プロが教える!! 雨漏りや屋根修繕で火災保険(住宅総合保険)を使う前に覚えておきたい全手法

■風水害で家が壊れたからといって、300万円入ってくるわけではない

たとえば、全労災のホームページを見てみましょう(http://www.zenrosai.coop/kyousai/kasai/hoshou.html)。

“風水害等共済金”という項目に、「風水害などのとき、契約期間中に暴風雨、突風、台風、高波などにより住宅・家財に損害が生じたとき。最高保証額300万円(600口加入の場合)」と書いてあります。

この文章を読むと、「それなら600口入っていれば、台風で家が壊れたら300万円が入ってくるのだろう」と勘違いしてしまいがちですが、実際に100万円以上のお金が全労災から入ってくるのは、屋根が吹き飛ぶなどのすさまじい被害が起こった場合です。

屋根が吹き飛ぶほどの被害といえば、テレビのニュースにトップで取り上げられるような大惨事であり、極めてレアケースです。

過去の火災共済・火災保険を使った工事事例:屋根修理で費用を抑えるには?

■損害金100万円以上の風水害に対して、支払われる共済金は40万円

では現実に損害額が100万円以上かかる風水害の場合に、全労災から共済金がいくら入ってくるかというと、40万円です。

「台風で屋根の一部が壊れてしまった」といっても、損害額が90万円なら共済金はもっと少なくなります。
、150万円かかった場合の共済金は40万円。あとの110万円は、自己負担しなければなりません。

もちろん月々に支払う金額の安さを考えれば当然の金額ではあるのですが、こうした数字はよく内容を読み込まなければ理解できないため、勘違いしてしまう人が多いのです。そのため、CMやホームページを真に受けてしまった人の多くは、災害発生後に共済金の申請をして「こんなに受け取れる金額が少なかったの?」と困惑し、民間の火災保険に切り替えることになります。

門扉・門塀は含まれない

それと保証範囲が民間の保険と違います。 建物のみに保険がかかっている為2014年の大雪被害では、多くのご家庭のカーポートが壊れて話題になりましたが、これも全労災では対象外です。民間の火災保険に入っていた人は、カーポートの修理代をまかなえる保険金がおり、持ち出しなしでカーポートを再建できた事例が数多くありました。

民間の火災保険は、被害をカバーできる保険金が支払われる

0

■修理にかかる費用を保険金でまかなえる、民間の火災保険

民間の火災保険の多くは、台風などの一般的な被害による保険金の支払額は、修理費用に応じて支払われます(一部の修理費用に関しては、適用にならない場合もあります)。
そして支払額の上限はありますが、御見積金額以上の支払い額になる場合もあります。

■台風や竜巻・雹(ひょう)などの被害にあっても、火災保険に入っていれば大丈夫!

民間の火災保険の場合、台風や竜巻・雹(ひょう)などで家屋が被害を受けた場合は、火災保険の風災・雹災・雪災の保障を選んでおけば保障されます。
さらに「費用保障」という項目を選ぶと、被害の際の復旧費用や仮住まい費用なども保障してもらうことが可能です。

「台風が来て屋根の一部が壊れた」「台風で家の屋根が雨漏りした」というような事態は、災害の事例としてけっして少なくありません。また、最近は竜巻や雹の被害もあちこちで聞かれ、他人事ではなくなってきました。備えあれば憂いなし。民間の火災保険の風災・雹災・雪災保障は、これからの時代にはマストの保障といえるでしょう。

台風修理事例:【事例】1030万円の見積もりで630万円の火災保険がおりた小学校の修繕

そもそも民間の火災保険と火災共済は、何が違うのか?

g_05_01

■単なるお守り代わりに火災共済を選ぶか、それとも本気で生活を再建したいのか?

民間の火災保険と全労災などの火災共済などの違いは、そもそも運営する母体が利益を追求する保険会社か、協同組合かという違いがあります。また、民間の保険会社は1対1で契約を結ぶので保障内容を自由に決められますが、火災共済は「皆でお金を出して助け合い、お金が残ったら分配する」という相互扶助のシステムなので、あまり融通は利きません。

火災共済は安いので、毎月無理なく支払えるのが魅力ですが、保障内容や融通性などを考えると、それが妥当な金額ともいえます。民間の火災保険は火災共済に比べて保険料は高いのですが、実際に災害に遭遇した場合は、本当に生活を建て直すために役立てることができます。

つまり「単なるお守り代わりに保障を持っていたいのか、それとも災害に遭遇したときに本気で生活再建を図りたいのか」によって、火災共済を選ぶか火災保険を選ぶかが決まるといっていいでしょう。

■民間の火災保険は、物置のような敷地内構造物も、保障に含まれるケースが多い

sumai1608
火災保険は保障の範囲が細かく分かれているものが多く、

  • 火災
  • 落雷
  • 破裂
  • 爆発
  • 水漏れ
  • 落下・飛来・衝突
  • 盗難
  • 損傷
  • 汚損
  • 騒じょう
  • 風災
  • ひょう災
  • 雪災
  • 水災など、特約まで含めると、数百のパターンの中から、自分に必要な保障を選ぶことができます。

火災共済はどうかというと、全労災の「住まいる共済」の場合は「火災など」「風水害など」「地震など」と、保障が大きく3つに分かれていて、火災保障のみの人、火災と風水害の2つに入る人、火災と風水害と地震の3つに入る人と、3パターンから選択します。多少の特約は付加できますが、保障を細かく指定することはできません。

また、「建物に火災保険をかけているが、敷地内にある物置が台風で飛ばされた」というようなときは、全労災の火災共済の場合は保障の範囲外です。その点、民間の火災保険の場合は、物置のような敷地内構造物も保障の対象になる場合が数多くあります。

■支払いの安さは火災共済の圧勝、ただし保障内容は火災保険に軍配

では、金額面ではどうでしょうか?先ほどもお話ししたように、保障料の安さという点から見れば、火災共済にかなうものはありません。割戻分も含めると、多くのプランが月々1,000円~5,000円以内の支払いで済むので、それを理由に火災共済に入る人は多いかと思います。民間の火災保険はというと、保障の内容によってもまちまちですが、おおよそ6,000円~20,000円の範囲内になります。

ただし、実際に支払われる保障金額はどうかというと、これは民間の火災保険に完全に軍配が上がります。たとえば東京海上日動の「トータルアシスト超保険」に入ると、通常の地震保険だけでは火災保険金額の最大50%までしか保障が出ませんが、超保険なら最大100%まで保障してもらうことができます。

■地震があったときに、保険金で家を建て直すことができる保険商品もある

つまり、火災保険の掛け金2,000万円で地震保険に入り、地震で家が全壊してしまった場合は、2,000万円丸々受け取ることができるのです。
これなら、保険金を元に建物を建て直すことも可能です。損保ジャパン日本興亜にも、同様の特約があります。それ以外の保険会社でも、50%までの地震保障は、必ず出ると思って良いでしょう。
但し掛金がその分かかるので、オススメとしては【少額短期保険】になります。 こちらは現在掛けている地震保険にプラスして加入すると考えてください。

地震保険申請については地震保険申請で保険金が受給できるまでの流れ

全労災の自然災害共済では、地震で家が全壊してしまった場合でも、最大30%までしか支払われません。
20%の場合も多く、その際は火災共済の掛け金2,000万円で自然災害共済に入っても、地震で家が全壊した場合は400万円しか支払われません。400万円では、住宅ローンの残債を払い終えることも難しいでしょう。

火災保険でお勧めの保険会社はどこ?

契約2

■火災共済と火災保険なら、お勧めは民間の火災保険

火災共済と火災保険の違いをいろいろと説明してきましたが、「では、いったい火災保険でお勧めの保険会社はどこなの?」というのが、多くの方の知りたいところでしょう。

まず火災共済と火災保険を比べた場合は、毎月の支払いが許すのであれば、火災共済ではなく民間の火災保険に入った方が賢明です。地震や台風・浸水・雹・竜巻といった自然災害が、当たり前のように襲ってくる時代です。「もし本当に災害がやってきたら、自分はいったいどうするのか」という計画は、事前に立てておく必要があるでしょう。

■納得いかない結果に対して、真摯に交渉に向き合う担当者を選ぶ

では、民間ならどこの保険会社をお勧めするかというと、「納得いかない結果に対して、真摯に交渉に向き合うような担当者がいる保険会社」がベストかと思います。

これまで当社はさまざまなお客様から依頼を受け、そのお宅でいくらの保険金がおりるかを目の当たりにしてきました。そこで強く感じたのは、プランの充実度も非常に重要なのですが、それと同じくらい“担当者のがんばり”が金額に反映するということです。

■担当者の交渉によって、保障額が増えたケースも多い

近年、保険会社はどこも保険金を払い渋る傾向にあり、「そこまで厳しく査定をしなくてもいいのではないか?」と思うようなことも多々ありました。しかし、そこで担当者が真摯に向き合い、「この屋根の保障はもっと出るはずですが」と会社側と交渉してくれることによって、保障額が増えたケースも少なくありません。

当社の経験上からお勧めする保険会社としては、

  • セコム損保
  • AIU
  • 富士火災などが挙げられます。お客様のお宅を訪問して、いかに建物が損害を受けたかを画像の証拠として残し、積極的に会社側と交渉にあたってくれる担当者もいました。

このように、保険会社を選ぶ際は「実際に支払いの時に、本当に払ってくれる会社かどうか?」「真摯に顧客と向き合ってくれる担当者がいるかどうか?」といったことも、気にしてみる必要があるでしょう。調べるのが難しい内容ではありますが、ネットの口コミなども参考になるかもしれません。

全労災の火災共済に関するまとめ

全労災を例に挙げて火災共済の危険性をお話ししましたが、火災共済は利益を目的としない保険の協同組合なので、全労災が悪いということではけっしてありません。火災や地震・風水害にあったときに、「ある程度まとまったお金をもらえると助かる」といった、お見舞金的な利用の仕方であれば、まったく問題なく利用できるでしょう。

ただし、地震や風水害が目の前の現実として起こり始めている今、本当にその保障だけで生きていけるのかどうかは、よく考えてみる必要があります。“転ばぬ先の杖”として、時代に合った火災保険を選択し、災害の多い21世紀を着実に歩んでいきましょう。

(※「保障」の表記は火災共済の場合に使われ、損害保険は「補償」と表記しますが、読みやすさを考慮して「保障」に統一致しました。)