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施工会社がミスをした‥工事保険に加入しているかどうかが大きなポイントになる

2019年1月21日 公開

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工事保険とは、施工会社が加入する保険です。実は、工事保険とは様々な保険の総称で、業種・業務内容・使用機材・支給材料の有無などの条件により、加入する保険が変わります。そのため、施工会社が加入した保険がどのような補償をしてくれるものなのかを把握している必要がありますし、工事の依頼主に対しても何かしらのミス・トラブルが発生した時に説明できません。
 

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工事保険は専門家が少ない

工事保険は自動車保険や生命保険、火災保険と違い流通量が圧倒的に少ないものです。というのも、工事保険に加入するのは限られた業種だけですし、用語や特約(オプション)も難解なものが多いため、保険会社内でも専門的に工事保険に従事しているスタッフは非常に少なくなっています。そのため、付帯して当たり前のたった数百円の特約を付け忘れていたことで数百万円の被害が工事保険の対象とならなかったというようなケースも多くあります。

具体的な工事保険

工事保険のイメージ

では、ここからは具体的工事保険について紹介していきましょう。

①工事の目的物(自社所有物)に掛ける補償
施工会社が新築工事を請け負った際の建築物件の火災事故や盗難事故などを補償します。例えば、保管してあった資材を盗難されたり、誤って破損してしまったりした場合などです。依頼主や元請け会社・メーカー・量販店など、第三者から支給された資材も補償対象に含まれているのが特徴となっています。ただし、補償対象となるのは現場敷地内に限られ、道具・工具・重機などは対象外となります。具体的には「建設工事保険」「土木工事保険」という名前の保険に加入することになります。依頼主は、施工会社がこれらの保険に工期に余裕を持って加入しているか、賠償責任保険の内容を把握しているかなどを確認する必要があります。これらの保険を曖昧にしている施工会社であれば、信頼度という点で劣ると考えて良いでしょう。

②作業中の賠償事故(依頼主・第三者のものを破壊した、怪我をさせたなどの場合)
作業中の賠償事故全般を補償します。例えば、工具を落として通行人に怪我をさせてしまったり、資材の搬入中に壁を破壊してしまったりした時などが想定されています。具体的には「請負業者賠償責任保険」という保険に加入することになります。依頼主は、施工会社が管理財物・作業対象物を補償の範囲に含んでいるか、塗料の飛散事故に関する免責や地盤の崩壊に関する免責などにも考慮しているかを確認しておきましょう。

③引渡し後の賠償事故(依頼主・第三者のものを破壊した、怪我をさせたなどの場合)
引渡し後に施工ミスが原因で水漏れ事故を起こしてしまったり、施工ミスにより強風で看板が落下し通行人に怪我をさせてしまったりした場合の補償をしてくれるものです。具体的には「PL保険(生産物賠償責任保険)」という保険に加入することになります。依頼主は、引き渡し後の期間に制限はないか、使用不能になってしまったものの損害は補償されるかなどを確認しておきましょう。

④任意労災
労災保険は、現場で働く職人たちに被害が及ぶような事態になった時の保険です。職人が通勤途中に自動車やバイクで接触事故を起こして後遺症が残った、作業中に高所から落下して休業することになったなどが想定されます。具体的には「任意労災保険」「労働災害総合保険」などに加入することになりますが、依頼主は施工会社が休業補償や治療費補償を考慮しているかどうかをチェックするようにしましょう。最悪の場合、死亡事故も絡む可能性があるものですので、必ず任意労災に加入している施工会社を選ぶようにしましょう。

工事の目的物の補償対象は、工務店であれば建築中の物件そのものになりますし、設備業者であれば取り付ける設備になります。そして、自社で仕入れた資材以外にも第三者から支給された資材なども含ませることで、厚い補償にすることができます。工事中に建築中の物件が火災に遭って被害が出た、現場にあった資材が盗難にあった、強風や大雨など自然災害により建築中の物件の床や壁に被害が出てしまったなど、「モノ」に被害が出た時の補償となります。特に、新築工事の元請会社となる場合はこの保険が必須といえます。注意すべきなのは、リフォーム工事の場合です。リフォーム工事を主としている施工会社の場合、賠償責任保険にだけ加入し、この保険に加入していない場合も多いようです。しかしながら、仮にこの状態でビル一棟の改修工事を請け負ったとしましょう。その時に作業中に水濡れ・火災などの被害が発生した場合、「①工事の目的物の補償」がない場合は保険対象がほとんどなくなってしまいます。リフォームの場合、建物は自社で仕入れた資材の塊という扱いになるため、第三者のものに被害を与えたことにはならないからです。ちなみに、改修工事を請け負っていない部分であれば、②③の第三者賠償②③で補償されることになります。また、対象となるのは工事現場の敷地内に限定されています。そのため、現場以外の資材置場や倉庫などは、工事保険ではなく火災保険など別の保険で対応しなければいけないので、かけ漏れがないようにしましょう。

作業中・引き渡し後の賠償事故は第三者への賠償を補償するもので、合わせて賠償責任保険とも呼ばれます。職人が道具を落として通行人に怪我をさせた、資材の搬入中に誤って出来たばかりの新築の壁に開けてしまったなど、第三者への弁償をするための保険ですが、作業中と引き渡し後の保険をセットにすることで保険料のセット割引を受けることができるプランもあります。後述する住宅瑕疵保証・リフォーム瑕疵保証と同じものでは?と思うかもしれませんが、この補償は「瑕疵保証」とは別物で、請負業者賠償・PL保険の対物部分についてはあくまで突発的な事故による補償です。原状復帰することをメインとしているので、そもそも欠陥がある瑕疵とは違うものになります。

任意労災は自社の職人(従業員)の他、事業主や下請業者の職人が怪我をした時の治療費の補償や休業補償を確保するものですが、事故状況や原因によっては、安全性が保たれていなかったということで事業主などに厳しいペナルティが課せられることもある案件です。 建築現場では「政府労災」「任意労災・上乗せ労災」などといったと呼び分けをしていますが、元請け業者から加入催促を受けている場合、元請け業者が「政府労災」と「任意労災・上乗せ労災」のどちらの提出を求めているのかを確認することが重要になります。この要求にずれがあると、施工会社は無駄な保険料を支払ってしまうことになります。

このように考えると、①は自社の範疇のものを補償する保険、②③は第三者のための保険、④は自社に関わるスタッフに関する保険、と言い換えることができます。特に②③は第三者のための保険と、④のスタッフのための保険は現場で必須と考えて良いでしょう。

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その他の工事保険

⑤一人親方特別加入制度(政府労災)
政府労災はスタッフのための保険ですが、一定業種・規模においては施工会社の代表者地震が加入する保険もあります。例えば、代表者が足場架設の作業中に誤って高所から落下し怪我をしてしまった、通勤途中に交通事故に遭い病院に通うことになったなどの場合に補償されます。現場へ新規入場する際に、この保険を入場の条件にしている元請け業者もあるので注意が必要です。

⑥資材運搬に関する補償
住宅に設置する資材をメーカーから現場へ搬入する時に交通事故に遭ってしまった時の補償です。ちなみに、現場内での被害は①で補償されます。

⑦住宅瑕疵保証・リフォーム瑕疵保証
新築住宅を建設時に義務化されている保証が「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」です。一般的には、新築住宅の瑕疵保証保険において、住宅の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分の瑕疵に起因するもので、住宅の基本的な耐力性能もしくは防水性能を満たさない場合に、ハウスメーカーなどの住宅事業者が住宅購入者に対して10年間の瑕疵担保責任(無料で工事の修理をする義務)を負担することを意味します。簡単にいうと初期段階における品質保証のことですが、新築住宅に重大な不具合があった場合は無料で修理するという意味合いの法律になります。この保証については、リフォーム時にも採用しているメーカーもあります。

⑧重機・建設機械・工具等への補償
住宅の建設につきものといえば、重機・建設機械・工具などのトラブルです。例えば、自走式クレーンで走行中に交通事故を起こしてしまった、荷降ろし中に荷台から発電機を落として壊してしまったなどの事故の補償が想定されています。被害が出たものが自社所有のものであれば「動産総合保険」で対応します。第三者から借りている物については「請負業者賠償責任保険」の中の「借用財物損壊担保特約」などで対応することになります。この特約については、免責事項が多く盗難事故には対応していないため注意が必要です。そのため、クレーンやショベルなどの重機を現場ごとにリースで借り受けている施工会社の場合は、契約する際に必ず保険加入の有無を確認しなければいけません。

⑨事務所・資材置き場・倉庫に関する賠償補償
工事現場以外で起きた管理不備による補償は、「施設賠償責任保険」の範疇となります。事務所や資材置き場の管理不備が原因で、第三者が怪我をしたり、水漏れにより第三者の住宅に被害が出たりといった場合などは、この保険が補償します。意外と見落としがちな保険ですが、わずかな掛け金で安心の補償が得られます。

⑩事務所・資材置き場・倉庫に関する火災・盗難などの補償
工事現場以外の火災や盗難の補償については、火災保険の対象となります。例えば、資材置き場に保管していた資材が夜中に盗難にあったり、事務所で火災が発生したりした場合は、別途火災保険に加入していなければ補償されません。事務所や倉庫がテナント・賃貸物件の場合は、契約時の入居条件として火災保険に強制加入することが多いのですが、もし加入が条件になっていない場合でも加入するようにしましょう。

⑪預かり物に関する補償
依頼主から施工会社が預かっていた物を盗難された、破損してしまったなどといったケースの被害を補償します。保険会社の考え方としては、契約者(施工会社)の管理下にあるものは、もとの所有権が第三者であっても、保険上は契約者のものとして考慮することになりますので、預かり物は第三者への賠償保険は適用されないことになります。具体的には「受託者賠償責任保険」と呼ばれる保険に加入することで、預かり物の補償が可能になります。

⑫売掛債権保証
取引先が倒産により支払い不能・債権の回収不能となってしまった時に、保証依頼のあった取引先に対して調査を行うことで保証できるかどうかを決定するものです。審査料は1件1500円で、審査結果により保証可否・限度額・料率が決まります。

⑬自動車保険
一般乗用車の自動車保険とは、若干内容が違います。工事保険ならではといえるのは、高所作業車で作業中にブーム操作を誤り電線を切断した、ダンプのような工事に使用する自動車を盗難されてしまったなどの補償が想定されています。また、現場からの移動中に追突事故を起こしてしまった、なども補償対象となります。このように、自動車の運行に関連する事故については自動車保険が優先されることになっています。つまり、請負業者賠償責任保険では自動車に関わる事故は補償されないので、自動車保険に加入しておく必要があるというわけです。ただし、工事で使用する専門車である工作車の場合、請負業者賠償責任保険でも出入りが制限されている現場内で発生した事故のみが対象となるので注意が必要です。ただし、自動車保険を使用することが優先されるため、自動車保険の補償額では足りない場合にその超過額を支払うという補償内容となります。この中でも特に注意しておきたいのが、ブームやユニック、アウトリガーなどの車両に設置されている機械作業が原因の事故も自動車保険で補償することになりますので、依頼主は施工会社が自動車保険に加入しているかどうかを確認しておきましょう。その際、万が一の事故に備えて対人無制限・対物無制限の設定にしてあるかどうかも確認できると尚良いでしょう。

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記事監修


kansyuu
【一級建築士】登立 健一
一級建築士。全国建物診断サービスのwebサイト監修の他、グループ会社の株式会社ゼンシンダンの記事も監修。