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台風の後片付け時の確認事項から注意点まで!作業を安全に行うには?

2020年10月28日 公開

台風に備えていても、どうしても被害が出てしまうことはあります。被害がでれば、後片付けが必要です。しかし、台風の後片付けは注意点が多く、ときには危険をともなう場合もあるため、正しい知識と方法で行うことが重要となります。

そこで今回は、台風被害にあったときの後片付けについて詳しく解説します。

片付けが必要な台風被害とは?

片付け
まずは、台風によって発生する被害について簡単に確認します。どのようなトラブルが起こるのかを把握し、対処法や対策に役立てましょう。

風による被害

暴風によって、屋根や自転車が飛ぶ、飛来物で壁や窓ガラスが割れる被害が発生します。家の外に置いてあった物が、吹き飛ばされることもあります。農家のビニールハウスが飛ばされたり、農作物がなぎ倒されたりする被害も発生します。

水による被害

川の水や下水道があふれると、市街地や畑が浸水する被害が発生します。住宅が浸水した場合、そのまま放置しておくと、建物にカビが生えたり、木材が腐ったりする可能性があります。住宅や畑に流れ込む水は、泥やホコリ、ゴミを含んでおり、床上まで浸水した場合、家の中まで汚損してしまいます。また、風によって屋根が飛んだり、飛来物が住宅に衝突したりして、建物が損傷、雨漏りによって同様のトラブルが発生することもあります。

土砂による被害

台風では、大量の雨がまとまった範囲に一気に降るため、地面が水を排水しきれなくなります。こうなると、がけ崩れや地すべり、土石流が発生し市街地を襲うことがあります。家屋が土砂で埋まってしまうこともあれば、道路や家の中が大量の土や石、泥が侵入することもあります。

台風被害の片付けをする前の確認事項

確認
台風による被害を片付ける前に確認しておきたいポイントについて紹介します。

建物の損傷状況のチェック

台風が去って、安全が確保されたら、まずは被害状況を確認しましょう。被害の程度によって受けられる支援や、補助金の金額なども変わってくるため、正確に確認する必要があります。台風によって被害を受けた状態を放置していると、さらに状態が悪化したり、建物自体の劣化が進んだりするため注意が必要です。

写真を撮り被害の証拠を残す事が大事

被害の様子が客観的にわかるよう、被害箇所は多方向から撮影してください。浸水がある場合は、高さがわかるようメジャーと一緒に写真に収めましょう。水に浸かったり泥をかぶったりした室内や家財も、すべて写真に撮っておきましょう。家の外観も最低4方向から撮影しておきます。屋根のうえなど、高所は危険をともなうため、専門業者に依頼してください。正しく写真を撮ることで、次に紹介する罹災証明の発行や火災保険の申請にも役立ちます。

罹災証明書の申請

罹災証明書とは、自然災害による被害の程度を示すものです。公的な支援を受けるためにも、火災保険の保険金申請をスムーズに行うためにも役立ちます。程度の分類は、「床下浸水」「床上浸水」「一部損壊」「半壊」「大規模半壊」「全壊」などがあり、それぞれ受けられる支援が少しずつ異なります。そのほか、一部の地域では人的な被害にも罹災証明書が発行される場合があります。

罹災証明書は、すぐに発行されるものではないため、被災したらできるだけ早く市区町村役場で申請しましょう。罹災証明申請書と被害状況が確認できる写真を提出すると、役場の担当者が被害状況の現地調査を行います。調査結果から被害の程度が認定され、支援金の支給や一部税金の減免、仮住まいへの優先的入居など、公的な支援が受けられます。

火災法保険の申請

火災保険に加入している場合、台風被害が保険金支払いの対象となる可能性があります。保険金が支払われれば、生活再建もしやすくなります。火災保険は加入しているプランによって支払いの要件が異なるため、まずは被害の内容が補償対象となるか確認しましょう。

保険金が受け取れる可能性がある場合は、火災保険会社に連絡してください。一般的に、申請には被害状況の報告書や状況が確認できる写真など、複数の書類を用意する必要があります。申請後、そのまま保険金の支払い有無が決まる場合もありますが、損害鑑定人が現地調査を行う場合もあります。罹災証明書がある場合、保険金が受け取りやすくなったり、申請の手続きが一部省略されたりすることがあります。

浸水被害の掃除や片付けをするときの服装

泥やがれきを片付けるときは、服装に注意しましょう。よくあるミスは、汚れるからと軍手や半袖半ズボン、サンダルを着用した軽装での作業です。いずれもケガをするリスクがあるため、正しい服装で作業してください。

ヘルメットや帽子、タオルで頭を保護する
ゴーグルをつけて目を保護する
※コンタクトを使用している場合は必須
鼻口 マスクをつける
※できれば防塵マスクが好ましい
トップス 長袖のシャツやジャージを着用する
※防水・防風のものであれば、水を吸ったり汚れたりするのを防げる
デニムス 長ズボンを着用する
※ポケットが多く防水・防風性がある作業用のズボンが理想
腕手 ゴム手袋をつける
※中に軍手をつけるとムレにくくなる
長靴、または安全靴を履く
※長ズボンは長靴の中に入れる

このほか、汗拭きタオルや水分補給用の水筒、雨具などを所持しておくと良いでしょう。

掃除・片付けの手順

掃除
被害の状況を確認し、罹災証明や火災保険の申請を行ったら、次の手順で片付けを始めましょう。被災後には、疲れがたまっているため、あまり気負わず、慌てず行ってください。

廃棄物の排出ルールや持ち込み場所を確認する

災害時のゴミ捨てのルールや持ち込み場所は普段と異なります。被害の程度にもよりますが、災害ごみ呼ばれる多量の廃棄物は、無料で排出できます。臨時の持ち込み場所に自分で持っていかなければならないケースもあります。

災害時には、市町村区が指定していない場所に廃棄物が放置されたり、災害に便乗して不用品が投棄されたりする事例もありますが、これは不法投棄とみなされて処罰される可能性もあるため、必ず自治体の指示に従ってください。廃棄物処理の情報は、ラジオやテレビ、消防の広報車などでアナウンスされます。

家財の運び出し

つづいて、家具や家電など、使える物と廃棄する物に分けながら、廃棄する家財を運び出します。使える物でも、水や泥でぬれている場合は、外に出して清掃、乾燥させる必要があります。畳や布製品、布団、木製家具、電化製品は、ぬれたり汚れたりしていれば、再利用は難しいでしょう。

ふすまや障子は、枠や桟を使える場合もあります。エアコンの室外機や自動車は、状態によって使えることもあるため、触らず業者に相談しましょう。とくに自動車はエンジンをかけると電気系統がショートして、故障や出火の危険があります。食器類はきれいに洗って、漂白剤で消毒すれば問題ありません。ぬれたり汚れたりした現金は、銀行や郵便局で新しいお金に換えてもらうことができるため、乾燥させて持っておきましょう。

壁の内部の確認

床上浸水に至った場合、壁の中に水が侵入している可能性があります。もし、断熱材や石膏ボードが水にぬれていれば、カビが大量発生するまえに、すべて撤去して、洗浄・乾燥させなくてはなりません。コンセントのカバーを外して、中がぬれていないか確認しましょう。屋根の破損や雨漏りがある場合は、天井裏にも水が侵入している場合があるため、要確認です。

ただし、被災直後は何ともないように見えても、カビが発生し、柱が腐ったあとに被害が発覚することもあります。床上浸水した場合は、業者に依頼してスケルトンの状態にして、洗浄してもらったほうが無難です。

土砂の除去と床下の掃除

家をぬれたままにしておくと、木造部が腐ったり、大量のカビや悪臭が発生したりと、さまざまなトラブルを引き起こし、生活できない環境となってしまいます。そのため、床下や床上に積もった土砂を除去し、きれいにしましょう。

畳を外し、1枚だけ床板を外せば、床下に泥水や土砂が入っていないか確認できます。泥や土砂が入り込んでいる場合は、床板をすべてはがして、泥と土砂をかき出します。集めた泥や土砂は土のう用の袋に入れると便利です。

消毒と乾燥

水や泥が付着した箇所は、消毒用のエタノールを吹きつけ、布でふき取って消毒します。窓この方法は家具などにも使えますが、色落ちする可能性もあるため注意が必要です。

乾燥は、石灰や熱風を利用して行われます。一度ぬれた家を乾燥させるためには、最低1ヵ月程度かかります。乾燥を怠ると、結果的に家に住めなくなったり、修理費用がかさんだりする可能性があるため、しっかりと乾燥させることが重要です。被害が大きい場合、どこでトラブルが発生するかわからないため、専門業者に相談、依頼するのがおすすめです。

台風の後片付け中に潜む3つのリスクと対策

リスク
台風による被害の後片付けは、簡単なものではありません。手間も時間もかかります。しかし、もっと注意しなければならないのが、作業中に発生しうる健康被害です。ここでは、片付け中に気を付けたいポイントと対策を紹介します。

①感染症

川や下水道からあふれた泥水は、さまざまな菌を含んでおり、非常に不衛生なものです。そのため、作業中に感染症にかかるケースが多く、なかには命にかかわる重大な症状が出る場合もあります。

破傷風

土の中にいる破傷風菌が、傷口から侵入することで、発症します。神経障害や口のしびれがおもな症状で、症状が進行すると、全身の痙攣が起こり、死に至ることもあります。ケガがある場合は、泥水や土に傷口が触れないよう、防水性のある衣類を着用し、露出を避けてください。作業中にケガをした場合は、すぐに汚れを洗い流し、深い傷の場合はすぐに受診が必要です。破傷風ワクチンを打っているかも、確認しましょう。

ウイルス結膜炎

被災現場では、乾燥した砂やホコリが大気中に浮遊しており、それらが目に入ることで眼球が傷ついたり、細菌が入ったりしてウイルス結膜炎を起こすことがあります。作業中に汚れた手で目をこすってしまったり、汚れた手でコンタクトレンズを触ったりすることで、症状が出ることもあります。おもな症状は、目の充血や目の違和感、涙や目ヤニなどです。作業中はゴーグルを着用し、目を触らない、作業後は手指をしっかり消毒することで防ぐことができます。

レジオネラ症

レジオネラ属菌による細菌感染症で、重度の肺炎や筋肉痛、高熱、胸痛などを引き起こします。中高年がかかりやすく、昏睡や幻覚、四肢の震えといった中枢真剣の症状も出ます。急激に悪化する傾向があり、死亡するケースも。レジオネラ属菌は、河川や水を含む土壌に生息しており、菌を含む水が体内に入ったり、水しぶきを吸い込んだりしてかかります。口と鼻をしっかりマスクで覆って作業をすることが重要です。

レプトスピラ症

病原体レプトスピラは、保有する家畜やネズミなどの尿に存在します。同時に、その尿に汚染された水や土壌にも存在しており、水害で水や泥に含まれて運ばれてきます。発症すると、頭痛や発熱、筋肉痛をはじめ、吐き気や下痢などの症状が出ます。また、進行すると、肝機能や腎機能にも異常が表れ、死亡するケースもあります。こちらも、肌の露出を抑え、マスクで鼻口を覆って作業することで防ぐことができます。

②食中毒

作業中に、食事をして食中毒になる場合があります。作業後に、手指をしっかり洗ったり、消毒したりしなかった場合や、水害が発生した住宅にあった食品を食べることで起きる可能性があります。とくに、水に浸かってしまった食品は、洗っても菌が残っている可能性があるため、生で食べるのは控えてください。作業のためのお弁当を保冷せずに保管していた場合も、食べるころには菌が増殖している可能性があるため要注意です。食中毒を起こす病原菌のなかには、100度まで熱しても死なないものもあるため、菌が発生する前に食べる、ラップや手袋をして作るといった対策が有効です。

③熱中症

作業中の熱中症も、よく報告されています。とくに、高齢者は体温の上昇や脱水状態に気づきにくく、死に至った事例もあります。そのため、のどが渇く前に、こまめな水分補給を心がけましょう。気分が悪かったり、吐き気がしたりする場合は、涼しい日陰で横になり、首や頭の後ろ、わきの下などを氷で冷やしてください。ろれつが回らないなど手足がしびれている、意識が朦朧としているなどの症状があれば、すぐに救急車を呼びましょう。熱中症は、水分補給はもちろん、こまめに休憩したり、体温を下げたりすることで防ぐことができます。水筒や冷感タオルなどを持って、作業することも大切です。

台風後の片づけのまとめ

まとめ
今回は、台風の被害にあったときの、掃除や片付けについて詳しく紹介しました。台風の強風や大雨によって大きな被害が出た場合、被害が発生したからといって、すぐに清掃を始めれば良いというわけではありません。被害状況の確認を行い、罹災証明書や火災保険の申請を行いましょう。被害状況の確認を正確に行わなければ、支援や補償が不足する事態にもなりかねません。

そのため、全国建物診断サービスを利用して、専門家に建物を正確にチェックしてもらうのがおすすめです。屋根など自身での確認は危険をともなう場合もあり、被害を受けたあとは身体的にも精神的にも疲れているため、プロに任せておけば負担を減らすこともできます。台風被害にあったら、まずは全国建物診断サービスにご連絡ください。



記事監修


kansyuu
【二級建築士】佐野 広幸
全国建物診断サービスのwebサイト監修の他、グループ会社の株式会社ゼンシンダンの記事も監修。火災保険申請を利用した修繕工事を広める事により、日本の「建物老朽化」問題の解決に貢献。