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よく聞く屋根材「コロニアル」とは何?

2020年6月3日 公開

新築の住宅を建てるときや、屋根のリフォームをするときに、「コロニアル」という言葉をよく聞くかもしれません。コロニアルとは屋根材の一種で、軽く扱いやすいことから多くの住宅で採用されています。そこで今回は、コロニアルがどんな特徴を持った屋根材で、どのようなメリット・デメリットがあるのかを紹介していきます。

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コロニアルとは何か

コロニアル

コロニアルとはスレートの一種で、ケイミュー株式会社が製造・販売している商品名です。スレートは薄い板状の屋根材で、コロニアルはスレート材の中でもシェア率が高いことから、スレート材の代名詞ともいえる存在です。

そのため、スレートとコロニアルをイコールだと思っている人も多いようですが、厳密にはイコールではなく、スレートの中の一種がコロニアルということになります。コロニアルはコストパフォーマンスがよく、軽量でデザイン性が高いという特徴があるため、全国的に普及したという背景があります。しかし、最近はガルバリウム鋼板製のスレートの普及率も高くなってきていますので、区別した方がよいでしょう。

コロニアルのメリット

●価格が安い
コストパフォーマンスのよさはコロニアルの大きなメリットで、屋根材としては群を抜いて安くなっています。1㎡あたり5000~6000円程度のコストで済みます。ほかのスレート材ではガルバリウム鋼板やジンカリウムがありますが、最低価格が6000円程度ですので、屋根の広さを考慮するとコロニアルがいかに安いかがわかります。

●耐震性が高い
建物というものは、屋根の重さが軽いほど揺れによるダメージを受けにくくなるため耐震性が高くなります。コロニアルは軽量ですので、コロニアルの屋根を持つ住宅の耐震性は高く、地震大国・日本にぴったりの屋根材といえます。建物の耐震性を高めるために、コロニアルに葺き替えるケースは少なくありません。

●デザインが豊富である
コロニアルは塗装しやすい屋根材ですので、デザイン性が高いという側面もあります。好きな色に塗装ができることから、屋根のデザインにこだわりたいときには最適な屋根材です。

●施工できる業者がたくさんいる
コロニアルは普及率が高い屋根材ですので、取り扱いのない業者が少ないことから、多くの業者が安定した工事を行えるものと思われます。施工の技術的にも特別高いものが要求されない屋根材ですので、施工費用も低く抑えることができます。

コロニアルのデメリット

●色褪せしやすい
コロニアルは、表面に塗装が必要な屋根材です。セメントが原料のスレートですので、塗装をしなければ雨水を吸収してしまいます。そのため塗装が必要なのですが、紫外線や風雨などで塗装が劣化すると色褪せを起こし防水性が失われます。定期的なメンテナンスで、劣化を防ぐ必要があります。

●ヒビが入りやすい
軽量ですが薄くヒビが入りやすいのは、コロニアルのデメリットです。コロニアルにヒビが入ると屋根材自体が劣化しやすくなりますので、ヒビが入っているのを発見したときは、すぐに専門業者にメンテナンスをお願いしましょう。

●メンテナンス頻度が高い
上述の通り、コロニアルは紫外線や雨風によって塗装が劣化することがあるので、定期的なメンテナンスが必要です。早い場合、数年程度で劣化が始まることもあるため、少なくとも10年に1度はメンテナンスを行うようにしましょう。

●雨漏りが起きやすい
コロニアルはスレート状の板を組み合わせて屋根を形成するため、水が溜まりやすく雨漏りが発生しやすい環境になります。スレートが雨水を吸い込んでしまうと、屋根材の下の構造材の劣化もが進んでしまうので注意が必要です。雨漏りが発生したときは、住宅の内部に雨水がかなり浸入してきている証拠ですので、すぐにメンテナンスが必要です。

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コロニアルが劣化したときはどうなる?

コロニアルは軽量で扱いやすいのですが、もともと劣化しやすく、さらに太陽光や風雨などにさらされている環境にあります。そのため、コロニアルは定期的なメンテナンスが必要な屋根材なのですが、コロニアルが劣化したときはどのようになるのでしょうか。

●色褪せが起こる
コロニアルの塗装が劣化すると、塗装の色褪せが起こります。色が薄くなったり、塗装の表面に粉が浮いてきたり(チョーキング、と呼ばれる現象です)したときは、塗装が劣化しているサインです。

●塗膜が剥がれる
コロニアルの塗装の劣化がさらに進むと、塗膜が剥がれてきます。塗膜が剥がれると、屋根材自体の劣化が早まってしまいます。塗膜が剥がれているのを発見したときは、早急に塗り直しなどのメンテナンスを行います。

●ひび割れ
コロニアルは、薄くて軽いため扱いやすいのですが、強度的には弱くひび割れを起こしやすい屋根材です。コロニアル自体がひび割れを起こしてしまうと、屋根の下の構造材の方にも劣化が進んでしまうリスクが高くなるので、早急なメンテナンスが必要です。

●反り
コロニアル自体が劣化すると、スレートが反り返る「反り」という現象が起こり、隙間から住宅内に雨水が浸入しやすくなります。反りが起こっているときはかなり劣化が進んで、耐用年数が近づいているサインですので、葺き替え工事を検討するタイミングかもしれません。

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コロニアルのメンテナンス時期とは?

コロニアルの耐用年数は、10~20年程度だといわれていますが、定期的なメンテナンスを行うことで耐用年数を伸ばすことができます。コロニアルのメンテナンスには「塗り直し」「カバー工法」「葺き替え」などがあり、一般的に塗り替えは10年に1度、カバー工法や葺き替えは20年から30年に1度必要といわれています。また、カバー工法は工法の仕様上1度しか行えないので注意が必要です。

コロニアルの屋根を良い状態でキープするためには、5年に1度は専門業者にチェックしてもらうのが良いでしょう。全国建物診断サービスのような屋根工事で豊富な実績を持っている団体に依頼した場合、コロニアルに被害が出ている箇所がないかチェックすると同時に、工事費用を火災保険で賄えないかどうかの判断もしてくれます。火災保険は自然災害による被害を保険で修理するものですが、経済的リスクの軽減につながりますので、上手に活用したいところです。

コロニアルのメンテナンス方法

ここからはコロニアルのメンテナンス方法を紹介していきましょう。

●塗り替え
コロニアルの塗装は10年に1度を目安に塗り替える必要があります。塗り替えにかかる費用は、平均的な一軒家で50万円ほどですが、色褪せを解消し美観がよくなりますし、塗膜を新しく作ることでコロニアル自体の劣化を防止することができるなど、早期のメンテナンスとして効果的です。

●カバー工法
カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根をかぶせる工法で、後述する古い屋根の撤去が伴う葺き替え工事よりもコストを安く抑えられます。平均的な一軒家では200万円前後の費用が必要になりますが、どの屋根材をかぶせるかにより相場が変動します。しかし、一度カバー工法を行うと、さらにカバーすることはできないので、違うメンテナンスの方法で工事することになります。

●葺き替え
葺き替えとは、既存の古い屋根を撤去して新しく屋根を作る工法で、屋根のメンテナンスとしては一番大掛かりなものでコストもかかります。平均的な一軒家ですと、250万円ほどかかることもあり、カバー工法でメンテナンスを行っている屋根の葺き替えは、通常の撤去よりも手間がかかるので注意が必要です。葺き替えで屋根材を変えることも可能ですので、素材によって相場が変わります。

コロニアルの代表的な商品

コロニアルにはさまざまな種類の商品がありますので、代表的なコロニアル商品の特徴を紹介していきましょう。

●ニューコロニアル
ニューコロニアルは、1979年に製造された古いタイプのコロニアル商品です。アスベスト(後述します)を含んでいるため現在は製造を禁止されていて、新築やリフォームで採用されることはありません。しかし、古い住宅でメンテナンスを行っていない場合はまだアスベストが含まれている屋根材が使われている可能性があるので、工事の際はアスベスト対策が必須となります。

●コロニアルNEO
コロニアルNEOは、2001年から製造されているコロニアルで、アスベストが社会問題化したためにアスベストを含まない商品として製造・販売されました。しかし、耐久性が低いという課題があり、現在では製造・販売ともにされていません。コロニアルNEOを使っている住宅の場合は、劣化状態を確認して早めにメンテナンスを行うことをおすすめします。

●コロニアルクァッド
コロニアルクァッドは、現在主流のコロニアル製品です。アスベストを含まないため人体への害がなく、コロニアルNEOよりも耐久性が向上している上に、コストパフォーマンスが良いので、コロニアルの中では主力商品として広く普及しています。

●コロニアル遮熱グラッサ
コロニアル遮熱グラッサは、遮熱性能が高いコロニアル製品ですが、価格的にやや高くなっています。そのため、遮熱機能を重視する住宅・建物へ使用する際に採用されています。

コロニアルとほかの屋根材との違い

コロニアル以外にも、住宅の屋根材として使用される素材はたくさんあります。ここからは、コロニアルとそのほかの屋根材の違いを紹介していきましょう。

●ガルバリウム鋼板との違い
ガルバリウム鋼板は、ここ最近急激に採用件数が増えている屋根材です。コロニアルよりも軽量で扱いやすく、強度が高く耐用年数が長いのですが、価格的にはコロニアルよりも高く防音性・断熱性が低いというデメリットもあるので、何を優先するかでコロニアルを採用するのか、ガルバリウム鋼板を採用するのかが決まります。また、ガルバリウム鋼板は金属を原料としていることから、色数が少ないというデメリットもあります。

●トタンとの違い
トタンは、薄い金属板を原料とした屋根材です。軽量でコストパフォーマンスに優れているため、かつての日本では多く採用されていました。しかし、金属板でできていることから、防音性が低く雨音などが響くというデメリットがあります。

また、断熱性が低いことから、夏は暑く冬が寒いというデメリットもあり、日本の気候とはあまり合わないことから、最近は採用されることが少なくなっています。しかも、耐用年数が低くすぐに劣化してしまうため、かなりの回数のメンテナンスが必要になるため、結果的にコストがかかってしまいます。トタンと比較すると、コロニアルの方が高いのですが、防音性・遮熱性・耐久性では優れています。

●瓦との違い
屋根で使用される瓦にはさまざまな種類がありますが、瓦全体でいえることは、一般的に断熱性に優れていて耐用年数が長くメンテナンスの必要があまりないということです。しかし、塗装ができる瓦の種類は限られているため、デザイン性に乏しいというデメリットがあります。また、重量があるので耐震性が低くなるというデメリットもあるため、コロニアルの方がメンテナンスの頻度こそ多くなりますが、軽量で安くデザイン性が高いという点で優れています。

コロニアルとアスベストの関係性

2006年以前に製造されたコロニアルには、アスベストが含まれていました。このアスベストは人体に有害な物質で、社会問題化したこともあり、2006年に全面的に製造中止となりました。アスベストとは日本語では「石綿」といいますが、繊維状の鉱石で、細かい石の綿のような見た目をしていることからこのように呼ばれています。アスベストが肺に入ると、呼吸器を中心に全身に深刻な悪影響を及ぼす可能性があるため、建築材に使用されていることが問題視されていました。

しかし、かつてはアスベストの危険性が認知されていなかった時代もあり、屋根材などに大量に使用されていて、今も古い住宅・建物の建築材にはアスベストが含まれている可能性はあります。そのため、撤去や工事などをする際は、アスベストが周囲に拡散しないように専門の資格を持った処理業者に処分を委託することになります。

アスベストの危険性が認知されるようになったのは1970年代で、1975年から段階的にアスベストを含んだ建築材の製造は禁止されていましたが、法律で完全に禁止されたのは2006年のことでした。いずれにしても、アスベストの工事資格を持っている専門業者に依頼することになるので、古い建物の工事を行う際は注意しましょう。



記事監修


kansyuu
【一級建築士】登立 健一
一級建築士。全国建物診断サービスのwebサイト監修の他、グループ会社の株式会社ゼンシンダンの記事も監修。