公開:2021年5月26日
目次(▼タップで項目へジャンプします)
- ▼5/24リフォーム産業新聞に掲載されました
- ▼日本はもともと新築の供給が多い
- ▼空き家を放置するリスクは何が考えられるか
- ▼ちなみに火災保険は修繕にも使えます
- ▼空き家を売却するメリット
- ▼空き家を売却する方法1: そのまま売る
- ▼空き家を売却する方法2: 更地にして売却する
- ▼空き家を売りたいときにどこに協力してもらうべきか
- ▼空き家を売却する流れ
- ▼空き家の売却前の修繕に関してはご相談ください
日本では今、毎年どんどん空き家が増えていると言われており、社会問題になっています。
所有者の方は、何かと管理が大変かと思います。
多くの空き家所有者の方は、「管理から解放されたいので売りたい」「固定資産税をもう支払いたくない」とお考えではないでしょうか。
「家は住まないと傷みが早い」と言われているため、空き家は室内からも損傷が広がってしまいます。
この記事を読むと、
・空き家を売却したい
・売却するメリット
・売却する方法や流れ
以上がわかります。
5/24リフォーム産業新聞に掲載されました
空き家管理士協会様と私たち一般社団法人全国建物診断サービスが業務提携させていただいていることが、リフォーム産業新聞に掲載されました。
深刻に進んでいく空き家問題の解決と、空き家所有者の方にも火災保険の活用を広めていくべく私たちは業務を行ってまいります。
日本はもともと新築の供給が多い
日本はもともと家を購入する際に中古物件を買うという選択肢が少ない国だと言われています。欧米では中古住宅の流通は8割を超えており、4割の日本と比べると、中古住宅のニーズが大きいのです。日本では、マイホームといえば新築という考えがあるため、空き家問題が増えてきました。
しかし最近では空き家を買いたい人も増えている
近年、このように空き家問題が深刻化していき行政や企業も力を入れ始めたことや、コロナ渦で一気にテレワークが普及したことも手伝って、地方の空き家を買い求める人が増えてきています。空き家の価格帯は100万円前後が多いと言われています。空き家を売りたいという方の中には、0円で出していることも珍しくありません。
空き家を放置するリスクは何が考えられるか
それでは、空き家を持っている人が放置してしまうリスクとしては何が考えられるでしょうか。
固定資産税がかかる
空き家にも固定資産税がかかります。また、解体したり「特定空家」に指定されると、額も上がってしまいます。
火災保険料がかかる
住んでいないから火災保険に入る必要はないのでは?と思っている方も多いかもしれませんが、実際は放火や空き巣などにより被害が多発しています。
空き家だと対象外の火災保険もある
火災保険では、空き家が対象外となっている保険を多く存在します。不安があれば、保険会社に確認していましょう。
ちなみに火災保険は修繕にも使えます
売却する前には、空き家の状態を確認すると思います。もしも自然災害による被害が見られる場合は、加入されている火災保険が使用できる可能性が高いです。火災保険を使っての修繕を考えてみてはいかがでしょうか。くわしくはお気軽にご相談ください。
空き家を売却するメリット
以上のように、空き家を維持管理するコストは大きいです。かといって解体するにも、解体の費用もありますので、売却するというのはひとつの手です。空き家を売却するメリットとしては以下の点が考えられるでしょう。
税金がかからなくなる
空き家は持っているだけで、土地や建物に固定資産税や、地域にもよりますが都市計画税がかかってしまいます。
手入れをする手間がなくなる
前述したように家は人がいないと傷んでしまいます。ということは、定期的に換気を行ったり掃除をしてメンテナンスする必要がどうしてもでてきます。空き家を売ることは、手入れする手間がなくなることに繋がります。
近隣への迷惑がなくなる
空き家があると、どうしても景観が悪化してしまいますし、犯罪の誘発やポストの悪用、害虫、雑草・・・・など、近隣へ迷惑がかかってしまいます。そのような苦情が発生していない場合でも、今後十分にメンテナンスができなそうであれば、売却することが良いといえます。では、売るときの方法には何が考えられるでしょうか?
空き家を売却する方法1: そのまま売る
方法の1つ目としては、そのまま売ることです。
メリット
解体する必要がないので費用が安くなります。また、現在は新築を買うよりも中古を買ってリノベーションをしたいという需要も増えてきています。古家付きで買ってしまえば、あとから更地にして投資にまわすことや、リノベーションして住むといったような、買い手からする選択肢が増えるのはメリットといえるでしょう。
デメリット
家はかなり古いと買い手が見つからないことは考えられます。
空き家を売却する方法2: 更地にして売却する
2つ目に、更地にして売却することです。
メリット
比較的売れやすいことがメリットでしょう。買い手が新築を検討している場合は、更地にした方が解体する費用や手間が省けるので、買いやすいと思われるでしょう。
デメリット
当然のことですが、空き家を解体ためには費用がかかってしまいます。その金額は売主さんとしては大きな負担でしょう。
自治体によって補助金が受けられる場合も
現在(2021年5月)は残念ながら国からの補助金はありませんが、自治体によっては補助金を出しているところもありますので、各自治体のホームページで確認しておきましょう。主な補助金を記しておきます。
三重県伊勢市・木造住宅の除却(解体)補助制度
昭和56年5月31日以前に建てられた木造住宅で、無料耐震診断の結果、診断評点が0.7未満と判断されたあとに、解体工事を行う方が対象の補助制度です。(工事費の3分の2で、上限30万円)
長崎県長崎市・特定空家等除却日補助金
老朽化が進み危険となる恐れのある空き家の解体を行う方に最大50万円の補助金が出る制度です。
自治体ごとに条件や審査があるので注意です。
空き家を売りたいときにどこに協力してもらうべきか
では実際に、空き家を売るときにはどうすればよいのでしょうか?
空き家バンク
空き家バンクは、空き家の売り手と買い手を仲介してくれるサービスです。
メリット
空き家問題という社会問題を解決するために活用しているものなので、営利目的ではありません。なので、仲介手数料なしで売却できます。また、ウェブ上なのでより多くの人に空き家の存在を示すことができ、買主を探す入口が広がります。
デメリット
仲介が行われず、個人間での取引になるため、手続きによるトラブルが起きやすいです。
空き家販売サイト
ほかの空き家販売サイトですと、「家いちば」「e-物件情報」「空き家ゲートウェイ」などがあげられます。
メリット
空き家バンクと同じく、ウェブ上なので多くの人に情報を伝えることができるでしょう。また、中にはプロがサポートをしてくれるサイトもあるので、サイトの概要や評判も確認してみましょう。手数料や税金の出費も少ないことが利点です。
デメリット
デメリットとしては、仲介に入る人がいないため、自由度が高い分、手続きや調べものなどをしなければならないことです。そのため、トラブルを発生してしまうこともあるでしょう。
不動産仲介会社
不動産仲介会社に間に入ってもらうという選択肢もあります。仲介に入る会社がいるとどうしても、いいようにされてしまうのでは?と不安になる方もいらっしゃると思います。しかし、空き家を高く売れば売るほど不動産仲介会社も大きな利益を得ることになるので、よりサポートしてくれるのです。
メリット
相談にも乗ってくれますし、仲介に入ってくれることでトラブルも防ぐことができるでしょう。できるだけ信頼できる不動産仲介会社を探すことが重要です。
デメリット
どの業者でも同じですが、悪徳な不動産仲介会社も少なからず存在することです。できるだけ地域密着や長く営業している不動産仲介会社にお願いすることや、複数会社に見積もりをとってもらい、相見積もりをすることが有効でしょう。
空き家を売却する流れ
今回は不動産仲介会社に依頼をするときの売却の流れを書きます。
査定を依頼する
まずは不動産仲介会社に査定を依頼しましょう。持っている空き家がどのくらいの価格で売却することが可能なのかを知ることができます。またこの際に、複数の不動産仲介会社に依頼して比較検討をすることも良いです。
仲介会社を決定する
その複数の不動産仲介会社の中から、取引する会社を決めましょう。第一印象や相談のしやすさ、実績から決めるのが良いでしょう。
売却価格を決定する
決定したら、不動産仲介会社サポートのもと、売却する価格を決めます。相場を考慮しつつ、よく考えて価格を決めるようにしましょう。
買主とのやりとり
購入希望者が見つかったら、契約の締結を行います。
引き渡し
売主からは、空き家の鍵や所有権の移転に必要な書類などを渡して、売買が終了します。
空き家の売却前の修繕に関してはご相談ください
所有する空き家の管理やメンテナンスが難しかったり、面倒に感じたとしても、すぐに売却することを決断することは難しいと思います。しかし、ずっと所有しているだけではメリットはないことは理解いただけたのではないでしょうか。空き家を売却する際の点検や修繕のことについては、私たち一般社団法人全国建物診断サービスにご相談ください。
自然災害で損壊した建物の修繕に対して、火災保険請求は正当な権利
記事監修
【一級建築士】登立 健一 一級建築士。全国建物診断サービスのwebサイト監修の他、グループ会社の株式会社ゼンシンダンの記事も監修。 |