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「鼻隠し」はいったい何のためにある? 鼻隠しをお得に修理する方法とは?

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「鼻隠し」、何ともユニークな名称ですが、

家の軒先に取り付ける横板”というと、ちょっとピンとくるでしょうか?

屋根の軒の先端は“”と呼ばれていて、そこを隠すようにして付けるので、鼻隠しと呼ばれています。普段はまったく目立たない存在ですが、屋根の修繕やリフォームの機会があると、見積書に「鼻隠し」と表記があるので気付く人もいるかもしれません。

実はこの鼻隠し、住宅を長く保つために欠かせない建築部材なのですが、修繕・リフォームの際には火災保険が適用になるのをご存知でしょうか? 火災保険を使うことによって、お得に鼻隠しを修理・交換することができるので、屋根の修繕・リフォームをお考えの方はぜひ参考にしてください。

「鼻隠し」はいったい何のためにある?

鼻隠しは屋根を支える垂木の切り口を隠すために取り付けられる板で、木製やモルタル、ガルバリウム鋼板など、さまざまな材質が使われています。普段はその存在すら気付かないような、影の薄い鼻隠しですが、実は次のように意外と大きな役目を担っています。

  • 雨水が屋根に浸み込むのを防ぐ
  • 垂木の腐食を防止する
  • 台風などで屋根が飛ばないように、耐風性を高める
  • 屋根の美観を整える
  • 雨樋を取り付ける際の下地となる

「鼻隠し」以外に、屋根を守るこんな部材も

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屋根を守っているのは、鼻隠しばかりではありません。
たとえば切妻屋根の山型部分に取り付ける「破風板(はふいた)」や、下地材である野地板の上に被せる「ルーフィング(防水シート)」などは、屋根を長持ちさせるために欠かせないパーツです。こうした人知れずひっそりと屋根を守る部材があるからこそ、雨漏りのない健全な屋根の状態を保つことができるのです。

経年劣化がなければ、火災保険を使うことができる

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鼻隠しや破風板・ルーフィングをはじめ、野地板・垂木・スレート・雨樋といった屋根材の修繕は、屋根の経年劣化さえなければ火災保険を使うことができます。経年劣化といっても、外から見てサビやコケがある程度なら、諦める必要はありません。申請が通れば、無料で屋根修理を行うことも可能です。

無料で行った屋根修繕事例:屋根修理で費用を抑えるには?

よくありがちなのは、「古い家だし、こんなに経年劣化していたら、火災保険など使えるわけがない」と思い込んでいるケースです。実際に鑑定をしてみると、火災保険が適用になる場合も多いので、まずはチャレンジしてみることが大切です。

また申請についても、ご自分で行う場合や業者に委託する場合にもこちらの記事を読んでから検討してみてください
プロが教える!! 雨漏りや屋根修繕で火災保険(住宅総合保険)を使う前に覚えておきたい全手法
 

火災保険は何回でも利用OK。ただし、風水害などの条件が必要

よくガン保険などで「2回以上ガンにかかった場合は、診断給付金を受け取れない」といったルールがある保険商品もありますが、火災保険はそんなことはありません。「火災保険を使って屋根修理をしたけれど、その後でまた風水害があって、屋根が壊れてしまった」という場合には、その度に何回でも火災保険を使うことができます。

ただし、火災保険は屋根が壊れたから下りるのではありません。落雷や爆発・台風・大雪・雹といった災害によって壊れたと認められることで、はじめて適用になるのです。ちなみに、地震や噴火・津波などの災害は、火災保険ではなく地震保険の範疇に入ります。

地震保険に加入している方で申請方法を知りたい方はこちら:地震保険申請で保険金が受給できるまでの流れ

火災保険による屋根修理を考える際の注意点

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さて、ご自宅の屋根が「もしかしたら火災保険で修理できるかもしれない」と思った場合は、いったいどうすれば良いでしょうか?「何はともあれ保険会社に連絡する」という人もいるのですが、実は保険会社は「できるだけ保険金を払いたくない」と身構えているケースが少なくありません。

特にここ数年、保険会社はどこも“払い渋り”の傾向が強いようです。かといって飛び込みで「お宅の屋根が傷んでいるから、修理をしませんか?」と言ってくるような業者は、要注意です。「火災保険を申請すれば無料でできますよ」などと言ってきても、安易に話には乗らないようにしましょう。

こうした業者の中には、いい加減な屋根修理をした後に一切連絡をよこさず、こちらから電話を入れたら会社が無くなっていたというようなケースも数多くあります。屋根修理の業者を選ぶ場合は、本当に任せても安心な業者かどうかをきちんと調べた上で、選ぶようにしましょう。

ご自宅の屋根を修理する際には、火災保険が適用になるかどうかを無料で診断する「ホームドック」を受けるのも、ひとつの方法です。
火災保険が無事通ればその保険金で修繕し、通らない場合は屋根修理を実行しなければ、費用は一切かかりません。

 



記事監修


kansyuu
【一級建築士】登立 健一
一級建築士。全国建物診断サービスのwebサイト監修の他、グループ会社の株式会社ゼンシンダンの記事も監修。